日本臨床腫瘍学会、がん免疫療法に関する注意喚起

文:がん+編集部

 日本臨床腫瘍学会から「がん免疫療法に関する注意喚起」が発表されました。現在、数ある免疫療法の中で、きちんとした治験で有効性が確認され、日本で保険適用になっているがん免疫療法は、免疫チェックポイント阻害薬(6剤)とBCG(尿路上皮がん)のみです。

未承認の免疫療法は、有効性も安全性も未確認のため注意が必要

 日本臨床腫瘍学会は5月30日に、がん免疫療法に関する注意喚起を発表しました。最近、効果や安全性が証明されず保険適用となっていない、未承認の免疫細胞療法やがんワクチン療法を、一部のクリニックなどが高額な治療費で、患者さんに投与している事例が多い状況を鑑みて発表された注意喚起です。発表された主な内容は以下です。

・現在、免疫療法として保険適用になっているのは、免疫チェックポイント阻害薬6剤と尿路上皮がんに対するBCGのみです。
※CAR-T細胞療法キムリアが、5月22日から保険収載されました。(編集部注)

・免疫チェックポイント阻害薬には特有の副作用があり、重篤になる場合があります。

・免疫チェックポイント阻害薬を安全に使用するためには、抗がん剤専門の医師のもとで、決められた用法・用量で行われ、副作用が出たときには、適切に対応されることが必要です。

・未承認の免疫細胞療法やがんワクチン療法などは、効果が証明されていないだけでなく、安全性も確かなものではありません。

・承認されていない治療法は、臨床試験として行われるべきできです。

・未承認の免疫療法を受けることで、高額な費用を請求されるだけでなく、標準治療や治験や臨床試験を受けるチャンスも奪われることになります。

・免疫チェックポイント阻害薬を個人輸入し、免疫チェックポイント阻害薬と免疫細胞療法を併用して行うクリニックもありますが、こうしたクリニックでは、副作用に十分対処できないため、患者さんが死亡した例もあり、適正でない使い方をすると、効果がないばかりか副作用で苦しむことにもなりかねません。

・保険適用となっていない未承認の免疫療法を受けようと思った場合は、公的制度に基づく臨床試験や治験等の医療に熟知した医師に、セカンドピニオンを求めることを推奨します。