カフェで学ぼうがんのこと「肝がん~飲み薬はどこまで効くのか~」

提供:NPO法人ウィッグリング・ジャパン


古賀 浩徳先生
講師:久留米大学消化器内科 先端癌治療研究センター 肝癌部門長   古賀 浩徳先生

 

がんの比率

 1位肺がん 2位大腸がん 3位胃がん 4位膵臓がん 5位肝臓がん(人口動態統計による2017年がん死亡データ)

 これまで肝臓がんの原因として多かったC型肝炎ウイルスは、近年新薬の登場や新患が減っていることから、近い将来希少疾患になると言われています。しかし、近年増加しているのはB型やC型肝炎ウイルスが原因でない、非B非C型肝炎(non-B、non-C)からの肝臓がんが増加しています。膵臓がんが肝臓がんを抜き減少傾向でありますが、肝臓がんは厄介ながんには変わりありません。

肝臓がんの原因

 肝臓がんが発見された時のがんの大きさは久留米大学病院の調べでは、B型、C型肝炎の方は定期検査を受けていたこともあり早期での発見が多く平均20.4mmであるのに対し、非B非C型肝炎の方は、平均58.0mmと大きな進行肝臓がんで発見されることが多いです。

 飲酒しないが肥満や糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患の方など非アルコール性脂肪肝炎(NASH(ナッシュ))からの肝臓がんが増えており、今後この中からどれくらいがんになるかが注目するところです。(NASHについては、チアーズスタイルホームページ「KEYになるWORD」をご覧ください)

肝臓がん治療

 肝臓がんの治療は、(1)外科的治療、(2)放射線治療、(3)内科的治療があります。

(1)外科的治療
早期発見で切除が出来れば予後の可能性が高くなります

(2)放射線治療
エックス線、電子線、ガンマ線などの放射線を用いて、がんを安全かつ効果的に治療する方法です。がんを治したり、がんの増大による痛みなどの症状を緩和したりします

(3)内科的治療
ラジオ波焼灼療法(熱でがんを焼く方法)や肝動脈化学塞栓療法(肝臓は血管が豊富なので栄養ががんに行かないように血管を塞栓して抗がん剤を流す方法)、そして久留米大学が確立したNew FP療法(肝臓の動脈にカテーテルを入れ、腫瘍のそばまで直接抗がん剤を持続的に流し込む方法)があります。条件はありますが、功奏率70%を確立している治療法です。

治療の選択肢

 肝臓がんの薬として、レンバチニブや今年の6月から使われるようになったラムシルマブ(点滴)を徐々に使い始めています。単剤で劇的に治ったりすることはありませんが、血管造影をしながら血管からアプローチするなど1つの方法ではなく色々な治療法と組み合わせての治療など、10年前に比べて治療の選択肢が増えています。

 ウイルスではなく肥満や糖尿病などが原因の肝臓がんが増えています。肝臓がんは、1つの方法での治療が難しいので、現在増えている非アルコール性脂肪肝炎(NASH(ナッシュ))にならないよう日頃からの生活習慣に気を付けて下さい。

参加者と先生の質疑応答

Q.「肝がんは必ず再発する」と言われるのはなぜか?
A.腫瘍が2cmくらいになったところで肝内転移が認められますので、1つのがんを切除しても、全体にがんの芽があることが多く時間差で現れるからです。

Q.B型肝炎保持者は肝臓がんのリスクが高いですか?
A.がん化のリスクは高くなります。B型肝炎は、C型と違い、肝臓の細胞に入り核の中に居座ります。血液を採取してB型肝炎ウイルスがなくても、肝臓の中にいる場合があります。予防法は、肝炎ウイルスがいる人は、血液中のウイルスを下げる薬があります。しかし、ある程度リスクを下げることはできますが、ゼロにすることはできません。製薬会社はB型肝炎ウイルスを減らす薬の研究を続けています。

Q.下戸の人(お酒に弱い人)は、鍛えたら強くなりますか?
A.遺伝子によって決まっているので、鍛えても駄目なので飲まないほうがいいです。

感想

肝臓がんは大変な病気ですが治療方法の選択肢が増えることは嬉しいことです。

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