カフェで学ぼうがんのこと「がん治療に伴う 『外見のケア』を学ぼう」

提供:NPO法人ウィッグリング・ジャパン



がん治療にはさまざまな副作用が伴いますが、これまでは治療が最優先で、脱毛のような外見の変化にはきちんとした支援はありませんでした。

しかし、入院治療が主だった薬物治療は、現在、外来治療中心に移行し、患者さんが社会と関わる機会が増えたことで、「アピアランス(外見)ケア」の重要性が高まっています。

今回、がん看護の現場で患者様と関わりのある能勢看護師に「アピアランスケア」についてお話いただきました。

アピアランスケアの“ゴール”

治療に伴う脱毛や皮膚などの「外見の変化」によって、「治療をやめようか」、「外出したくない」と言われる方がおられます。そんな方が、これまでと変わらない生活を送れるように、どうしたいのか、何を希望されるのか、明確な目標、ゴールをしっかり話し合い、日々の暮らしの中で一歩踏み出すサポートをしていきます。

例えば、治療により髪の毛が抜けてしまった方でも、ウィッグで隠す方もいれば、ウィッグを楽しむ方、そしてウィッグを使わずスカーフを巻いておしゃれをする方などおられます。また、ご本人は脱毛について気にしていないけれど「孫から怖がられる」という男性には、孫と会うときだけ眉を描くことを提案・指導することもあり、一人一人の希望や目的に沿ったケアを行っています。

パートタイムの患者

アピアランスケアとは、美しくすることが目的の美容とは異なり、心をケアすること、社会とつながるために、これまでと変わらない生活を送れるようなサポートです。

患者様に対しては「人生の全てを“患者”として過ごす必要はなく、治療中のいまだけ“パートタイムの患者”になりませんか」と伝えています。

講義後の質疑応答

講義後の質疑応答では、美容関係のお仕事の方へ、お客様ご本人の希望とご本人の感じる心地良さと相談しながらの対応を心掛けるようアドバイスされていました。また、手術後の外見のケアのためのカバーメイクの情報交換もあり、外見のケアの正しい情報と環境整備を望む声が出ていました。

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活動内容
NPO法人ウィッグリング・ジャパンでは、がん闘病中にかつらをレンタルするというサービスを提供することで、2010年から8年にわたり、約800名の女性がん患者さんをサポート。同じ経験をしたスタッフが患者対応するというピアサポートを取り入れることで、心のケアにも注力しています。