切除不能な肝細胞がんの一次治療として「レンビマとキイトルーダ併用療法」、FDA迅速承認条件を満たさず
2020/08/14
文:がん+編集部
切除不能な肝細胞がんに対する一次治療として申請していた、レンバチニブ(製品名:レンビマ)とペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)併用療法について、米国食品医薬品局(FDA)は「既存の治療法に対して意義のある優位性を示すエビデンスを提示していない」とする審査完了をエーザイと米メルク社に対し通知しました。
進行性肝細胞がんの一次治療として「レンビマとキイトルーダ併用療法」を評価する第3相LEAP-002試験が進行中
エーザイと米メルク社は、切除不能な肝細胞がんの一次治療としてレンバチニブとペムブロリズマブ併用療法の申請に対し、FDAから審査完了通知を受領したことを発表しました。
この申請は、単群試験で臨床的意義のある有効性を示した第1b相116/KEYNOTE-524試験の結果に基づいて行われました。しかし、他の併用療法が全生存期間データを含むランダム化比較試験に基づき承認され、この申請は「承認の条件を満たしていない」と通知されました。通知の内容は、「本申請は、全身性の前治療歴のない切除不能または転移性の進行性肝細胞がんに対するレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法が既存の治療法に対して意義のある優位性を示すエビデンスを提示していない」というものでした。
両社はこの通知を受け、次のような対応を示しています。
「本併用療法の有効性および臨床上のベネフィットに関する十分なエビデンスを示すための臨床試験の推進を含め、今後の適切な対応についてFDAと協議します。進行性肝細胞がんに対する一次療法としてのレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を評価する臨床第Ⅲ相試験(LEAP-002試験)を進めており、患者様登録も完了しています。今回の審査完了通知受領は、レンバチニブおよびペムブロリズマブの現在承認されている適応症に影響を与えるものではありません」