イミフィンジと化学療法の併用療法、進展型小細胞肺がんの一次治療薬としてCHMPが承認勧告
2020/08/25
文:がん+編集部
デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)と化学療法の併用療法が、進展型小細胞肺がんの一次治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)から承認勧告されました。
CASPIAN試験で、化学療法に対しイミフィンジ併用で死亡リスクを27%低下
英アストラゼネカは7月27日、デュルバルマブが、化学療法との併用療法における、進展型小細胞肺がんの一次治療薬として、CHMPから承認勧告を取得したことを発表しました。今回の承認は、第3相CASPIAN試験の結果に基づくものです。
CASPIAN試験は、進展型小細胞肺がん患者さん805人が対象。一次治療として、デュルバルマブ+化学療法、デュルバルマブ+化学療法+トレメリムマブ、化学療法と、3つ療法を比較した臨床試験です。
中間解析の結果、デュルバルマブ+化学療法の併用療法は、主要評価項目の全生存期間の延長を示し、死亡リスクを27%低下させました。また、奏効率は、化学療法58%に対しデュルバルマブ併用療法が68%で、症状が悪化するまでの期間が延長されることも示されました。安全性に関しては、これまでの安全性プロファイルと一致していました。
CASPIAN試験の国際治験調整医師であり、Hospital Universitario Doce de Octubreの腫瘍内科部長であるLuis Paz-Ares医学博士は次のように述べています。
「CASPIAN試験は、イミフィンジと医師が選択する白金系抗悪性腫瘍剤とエトポシドを用いた化学療法との併用療法が、良好な忍容性を示し生存期間の延長をもたらす重要で新たな進展型小細胞肺がんの一次治療の選択肢となり得ることを示しました。欧州の多くの医師にとって、シスプラチンはこの病気に対して好んで選択される化学療法であり、今回の承認勧告は、欧州の進展型小細胞肺がん患者さんに対して、初めてシスプラチンと免疫治療との併用療法を可能にする重要なステップとなります」