オプジーボと化学療法併用、未治療の胃がん・食道がんに対する臨床試験で主要評価項目を達成
2020/09/08
文:がん+編集部
胃がんと食道がんの一次治療として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)と化学療法併用療法を評価した臨床試験で、全生存期間と無増悪生存期間の改善が示さました。
PD-L1陽性患者さんで、全生存期間と無増悪生存期間の両方で良好な改善示す
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は8月11日、一次治療薬としてニボルマブと化学療法併用療法を、化学療法と比較した第3相CheckMate-649試験の中間解析の結果を発表しました。PD-L1発現がCPS※1が5以上の患者さんにおいて、2つの主要評価項目である全生存期間と無増悪生存期間を達成しました。
CheckMate-649試験は、未治療でHER2陰性の進行または転移性胃がん、胃食道接合部がん、食道腺がんの患者さんを対象に、ニボルマブと化学療法併用療法、ニボルマブとイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法を、化学療法と比較した臨床試験です。
化学療法併用療法では、ニボルマブ360mgとCapeOX療法(カペシタビンおよびオキサリプラチン)を3週間間隔、もしくはニボルマブ240mgとFOLFOX療法(フルオロウラシル、ロイコボリンおよびオキサリプラチン)を2週間間隔で投与。また、ニボルマブ1mg/kgとイピリムマブ3mg/kgは3週間間隔で計4回投与されました。化学療法は、FOLFOX療法を2週間間隔、またはCapeOX療法を3週間間隔で投与し、いずれも病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、または患者さんが同意を撤回するまで2年間投与されました。
解析の結果、PD-L1発現が5以上で、ニボルマブと化学療法併用療法を受けた患者さんにおいて、主要評価項目である全生存期間(中間解析)と無増悪生存期間(最終解析)の両方で良好な改善を示しました。また、すべての患者さんに対しても生存ベネフィットが認められています。安全性に関しては、これまで認められている安全性プロファイルと一致していました。
治験責任医師であり、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、消化器がんのチーフであるY. Janjigian医師は、次のように述べています。
「食道がんと胃がんの患者さんの治療選択肢を緊急に改善することが必要です。現在の標準的な化学療法では患者さんの奏効期間は短く、転移した患者さんの5年以上の生存率は6%未満です。免疫療法は、さまざまながん腫にまたがる患者さんの治療法を変革するのに役立っており、CheckMate-649試験の有望な結果は、患者さんにとって、標準的な化学療法を上回る生存ベネッフィトを改善する新しい機会であることを示しています」
※1:CPS(combined positive score): PD-L1陽性細胞数を総腫瘍細胞数で割り、100を掛けた数値