「オプジーボ+ヤーボイ」、切除不能または転移性尿路上皮がんの一次治療として全生存期間が改善せず
2022/06/06
文:がん+編集部
切除不能または転移性尿路上皮がんの一次治療として、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法を評価したCheckMate-901試験の結果、主要評価項目の全生存期間が達成されませんでした。
「オプジーボ+化学療法」と化学療法を比較するサブ試験の評価は進行中
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2022年5月16日、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者さんの一次治療薬として、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法を標準化学療法と比較評価したCheckMate-901試験の最終解析で、PD-L1発現レベルが1%以上の患者さんに対する全生存期間の主要評価項目を達成しなかったことを発表しました。
CheckMate-901試験は、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者さんを対象に、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法(主要試験)または「ニボルマブ+化学療法」併用療法(サブ試験)を標準化学療法と比較した第3相試験です。主要試験の主要評価項目は、シスプラチンによる化学療法に不適格な患者さんの全生存期間、PD-L1発現レベルが1%以上の患者さんの全生存期間でした。主な副次評価項目は、全無作為化患者さんの全生存期間、無増悪生存期間、安全性アウトカムなどでした。
最終解析の結果、PD-L1発現レベルが1%以上の患者さんの全生存期間は達成されませんでした。主要試験および、シスプラチンによる化学療法に適格な患者さんを対象に、「ニボルマブ+化学療法」併用療法を化学療法と比較評価するサブ試験は進行中です。
同社の泌尿生殖器がん領域、バイスプレジデント兼開発プログラム責任者であるDana Walker医師は、次のように述べています。
「近年の医療の進展にもかかわらず、転移性尿路上皮がんは現在も治療が難しく、患者さんの生存期間を延長できる治療選択肢は限られています。オプジーボとヤーボイの併用療法は、治療困難な複数の進行がんで持続的かつ長期にわたる生存期間の改善を示してきました。CheckMate-901試験の最終解析では、PD-L1発現レベルが1%以上の尿路上皮がん患者さんで同様のベネフィットが示されず、残念に思います。今後も尿路上皮がんにおける研究に注力し、CheckMate-901試験のその他のデータを待ちたいと思います。本試験にご参加いただいたすべての患者さん、治験担当医師そして治験施設の皆様にお礼を申し上げます」