固形がんと血液がんを対象に、CLK阻害薬「CTX-712」を評価した第1相試験の中間解析の結果を発表
2022/06/30
文:がん+編集部
固形がんと血液がんを対象に、CLK阻害薬「CTX-712」を評価した第1相試験の中間解析の結果が、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会2022で発表されました。臨床的に許容できる安全性プロファイルが示され、複数の患者さんで抗腫瘍効果が認められました。
臨床的に許容できる安全性プロファイルが示され、複数の患者さんで抗腫瘍効果を確認
Chordia Therapeuticsは2022年6月7日、CLK阻害薬「CTX-712」を評価した第1相試験の中間解析の結果を、ASCO年次総会2022で報告したことを発表しました。
今回報告された第1相試験は、進行・再発または難治性悪性腫瘍患者さんを対象に、CTX-712の忍容性、安全性、薬物動態が評価されます。中間解析の結果、臨床的に許容できる安全性プロファイルが示されました。また、抗腫瘍効果に関しても、複数の患者さんで認められました。
用量制限毒性として、脱水、血小板数減少、低カリウム血症が認められました。また、最大耐用量は週2回140mgと決定されました。試験に参加した卵巣がん患者さんの2人に部分奏効、2人に完全奏効が認められました。同様に急性骨髄性白血病患者さんでも、それぞれ2人の部分奏効と完全奏効が認められました。
第2相試験で推奨される用量を決定するために、現在試験が進行中です。
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院の先端医療科長で本試験の治験責任医師である山本昇医師は次のように述べています。
「世界に先駆けて、まったく新しい作用機序の抗がん薬候補のファーストインヒューマン臨床試験に携わることができて非常に光栄です。まだ初期の臨床試験ではありますが、将来的にCTX-712が進行・再発又は難治性の悪性腫瘍の患者さんに対して有効な治療薬になることを期待しています」