完全切除後のステージ2B~2Cの悪性黒色腫に対する術後補助療法としてキイトルーダを評価したKEYNOTE-716試験の結果をASCO 2022で発表
2022/07/01
文:がん+編集部
ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)を、完全切除後のステージ2B~2Cの悪性黒色腫に対する術後補助療法として評価したKEYNOTE-716試験の結果が、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会2022年で発表されました。
キイトルーダ、プラセボと比較して隔転移と死亡リスクを36%低下
米メルク社は2022年6月5日、KEYNOTE-716試験の結果をASCO2022で報告したことを発表しました。
KEYNOTE-716試験は、完全切除後のステージ2B~2Cの悪性黒色腫患者さん976人を対象に、術後補助療法としてペムブロリズマブとプラセボを評価した第3相試験です。主要評価項目は無再発生存期間、副次的評価項目は無遠隔転移生存期間、全生前期間などでした。
3回目の中間解析の結果、ペムブロリズマブはプラセボと比較して遠隔転移と死亡リスクを36%低下し、統計学的に有意で臨床的にも意味のある改善が認められました。また、3回目の中間解析時点で再発が認められたのは、ペムブロリズマブ19.5%、プラセボ28.4%で、再発リスクの低下が認められました。
安全性に関しては、これまでに報告されている固形がん患者さんに対する試験で認められているものと一貫しており、無遠隔転移生存期間の解析時点で新たな安全性シグナルは特定されませんでした。
Melanoma Institute Australiaの共同メディカルディレクターでUniversity of SydneyのRoyal North Shore HospitalのMelanoma Medical Oncology and Translational Research責任者であるGeorgina V. Long博士は、次のように述べています。
「2B期および2C期の悪性黒色腫の患者さんには再発や遠隔転移のリスクがあります。KEYNOTE-716試験の最新の結果ではペムブロリズマブが完全切除後の2Bおよび2C期の悪性黒色腫患者さんの遠隔再発を抑制する可能性が示され、この患者さんに対する術後補助療法の重要な役割が示されています」