非小細胞肺がんに対する術後補助療法として、イラリスを評価したCANOPY-A試験の最新情報を発表
2022/09/08
文:がん+編集部
非小細胞肺がんに対する術後補助療法として、カナキヌマブ(製品名:イラリス)を評価したCANOPY-A試験の最新情報を発表。主要評価項目の無病生存期間の延長は、認められませんでした。
イラリス、プラセボと比較して無病生存期間の延長を示さず
ノバルティスは2022年8月15日、インターロイキン-1β阻害薬カナキヌマブの術後補助療法を評価するCANOPY-A試験の最新情報を発表しました。
CANOPY-A試験は、ステージ2~3Bの非小細胞肺がんの完全切除を受けた成人患者さん1,382人を対象に、カナキヌマブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は無病生存期間、副次的評価項目は全生存期間、サブグループの無病生存期間、QOLなどでした。
試験の結果、カナキヌマブはプラセボと比較して、主要評価項目である無病生存期間の延長が達成しされませんでした。安全性に関しては、予期せぬ安全性の所見は認められませんでした。
同社のExecutive Vice Presidentであり、Oncology & Hematology Development のGlobal Head であるJeff Legos氏は、次のように述べています。
「CANTOS試験で認められた肺がん発生率および死亡率の低下のシグナルに基づき、CANOPYプログラムを実施しました。これらのシグナルは、早期肺がんの補助療法としてのカナキヌマブの試験を支持するものでした。 CANOPY-Aが期待通りの効果を示さなかったことは残念ですが、すべての試験は将来の研究開発を支える科学的根拠を生み出すものであり、依然として緊急かつ重要なニーズを持つ肺がん患者さんのために、引き続き新しい治療選択肢を追求していきたいと思います。この研究を可能にした、患者さんと治験責任医師・担当医師の方々に感謝いたします」