タグリッソ、「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」の適応症として国内承認
2022/09/15
文:がん+編集部
「オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)が、「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」の適応症として新たに厚生労働省に承認されました。
タグリッソ、プラセボと比較してステージ2/3Aの患者さんの再発または死亡リスクを83%低下
アストラゼネカは2022年8月25日、「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」の適応症として、オシメルチニブが厚生労働省より承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、ADAURA試験の結果に基づくものです。
ADAURA試験は、腫瘍の完全切除術後(補助化学療法実施の有無は医師と患者さんの判断)のEGFR遺伝子変異陽性のステージ1B~3Aの非小細胞肺がん患者さん682人を対象に、術後補助療法としてオシメルチニブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目はステージ2/3Aの患者さんに対する無病生存期間、重要な副次的項目はステージ1B~3Aの患者さんに対する無病生存期間でした。
解析の結果 、オシメルチニブはプラセボと比べて、ステージ2/3Aの患者さんの再発または死亡リスクを83%低下。ステージ1B~3Aの患者さんを対象とした解析でも、再発または死亡リスクが80%低下しました。安全性と忍容性に関しては、転移がある患者さんを対象としたこれまでの試験と一致していました。
国立がん研究センター東病院の呼吸器外科長でADAURA試験の主任研究者である坪井正博医師は、次のように述べています。
「EGFR遺伝子変異の有病率が特に日本で高いことを考えると、2016年に日本で承認されて以降、タグリッソは肺がん治療において重要な役割を果たしてきました。今回のADAURAの承認により、EGFR遺伝子変異を有する早期非小細胞肺がん患者さんに対して、分子標的治療薬が初めて術後補助療法として使用できるようになります」