進行腎細胞がんの一次治療として「オプジーボ+カボメティクス」を評価したCheckMate-9ER試験の追跡結果が発表

2023/03/03

文:がん+編集部

 進行腎細胞がんの一次治療として「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+カボザンチニブ(製品名:カボメティクス)」併用療法を評価したCheckMate-9ER試験で、3年以上にわたる追跡調査の結果、持続的な生存ベネフィットが認められました。

「オプジーボ+カボメティクス」、進行腎細胞がんの一次治療として持続的な生存ベネフィットを示す

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社とExelixis社は2023年2月13日、CheckMate-9ER試験の3年間の追跡調査の結果を発表しました。

 CheckMate-9ER試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者さん651人を対象に、「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法とスニチニブ(製品名:スーテント)を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間、奏効率などでした。

 3年間の追跡調査の結果、「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法はスニチニブと比較して、無増悪生存期間、全生存期間、奏効率などで持続的なベネフィットを示しました。また、バイオマーカーの解析では、「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法は、PD-L1発現状況にかかわらず、無増悪生存期間および全生存期間の中央値で持続的な改善を示しました。

 チリ、サンティアゴにあるブラッドフォードヒル臨床研究センターのメディカルディレクターであるMauricio Burotto医師は、次のように述べています。

 「科学と医学の進歩にもかかわらず、転移性腎細胞がんの患者さん、特に高リスクに分類される患者さんの生存期間を持続的に延長できる治療選択肢が依然として必要とされています。CheckMate-9ER試験のこれらの最新結果から、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法が、スニチニブと比較して、患者さんのリスク分類を問わず、3年以上にわたり生存期間を持続的に延長し、奏効ベネフィットを維持することがわかりました。これらの結果は、患者さんに対するがん免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害薬の併用療法のレジメンの重要性およびこの治療困難ながん患者さんの生存への期待を変えるのに役立つ可能性を補強するものです」