進行性腎細胞がんの一次治療として「レンビマ+キイトルーダ」併用療法を評価した臨床試験の結果を発表
2023/06/13
文:がん+編集部
進行性腎細胞がんの一次治療として、「レンバチニブ(製品名:レンビマ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)」併用療法を評価したCLEAR(307)試験/KEYNOTE-581試験の結果を発表。全生存期間の改善が認められました。
「レンビマ+キイトルーダ」、スーテントと比較して死亡リスクを21%低下
エーザイ株式会社とメルク社は2023年5月26日、進行性腎細胞がんを対象としたCLEAR(307)試験/KEYNOTE-581試験の結果を発表しました。
CLEAR(307)試験/KEYNOTE-581試験は、進行性腎細胞がんの一次治療として、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法、および「レンバチニブ+エベロリムス(製品名:アフィニトール)」併用療法をスニチニブ(製品名:スーテント)と比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次的評価項目は全生存期間、客観的奏効率、安全性などでした。
事前に設定された全生存期間の最終解析の結果、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法はスニチニブと比較して死亡リスクを21%低下。臨床的に意義のある改善を示しました。
また、無増悪生存期間の解析の結果、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法はスニチニブと比較して病勢進行または死亡リスクを53%低下。無増悪生存期間の中央値はそれぞれ、23.9か月と9.2か月でした。
客観的奏効率は、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法が71.3%に対しスニチニブが36.7%、完全奏効率はそれぞれ18.3%、4.8%でした。
安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレード3以上の治療に関連した有害事象の発現率は、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法74.1%、スニチニブ60.3%でした。全グレードにおける最も一般的な有害事象(上位6つ)は、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法では、下痢(56.0%)、高血圧(54.3%)、甲状腺機能低下症(44.9%)、食欲低下(35.5%)、疲労(34.1%)、口内炎(32.7%)でした。スニチニブでは、下痢(45.3%)、高血圧(40.3%)、口内炎(37.4%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(36.2%)、疲労(32.9%)、悪心(28.2%)でした。
Baylor Sammons Cancer Center、Texas Oncology、the Urologic Oncology Program のDirector兼the Urologic Cancer Research and Treatment CenterのCo-chairであるThomas Hutson博士は、次のように述べています。
「レンビマとキイトルーダの併用療法は、進行性腎細胞がんの一次治療として、フォローアップ4年時点においても臨床的に意義のある全生存期間の改善を示し、持続的な臨床的有用性を示しています。さらに、本併用療法の無増悪生存期間の中央値および奏効率は、スニチニブと比較して、臨床的に意義のある改善を示しました。これらの知見は、進行性腎細胞がんの一次治療の標準療法オプションとしての本併用療法の重要な役割を裏付けるものです」