ROCK2阻害薬「ME3208」、造血幹細胞移植後の慢性GVHDの効能・効果で国内申請

2023/07/19

文:がん+編集部

 造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(慢性GVHD)を効能・効果とする、ROCK2阻害薬「ME3208」が国内承認申請されました。

ME3208、最良全奏効率を基準とする主要評価項目を達成

 Meiji Seika ファルマ株式会社は2023年6月27日、造血幹細胞移植後の慢性GVHDを効能・効果とする、選択的ROCK2阻害薬「ME3208」の国内製造販売承認申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、国内における「ME3208の慢性GVHD患者を対象とした第3相試験」の結果に基づくものです。

 ME3208の慢性GVHD患者を対象とした第3相試験は、12歳以上の日本人慢性GVHD患者さんを対象に単一群・非盲検・非対照で実施されました。主要評価項目は最良全奏効率(完全奏効または部分奏効を示した人の割合)、安全性でした。副次的評価項目は奏効持続期間、初回反応までの期間などでした。試験の結果、ME3208は最良全奏効率を基準とする主要評価項目を達成しました。

 ME3208は、免疫細胞の分化と組織の線維化に関与するリン酸化酵素であるROCK2を選択的に阻害する世界初かつ唯一の薬剤で、免疫調整作用と抗線維化作用により慢性GVHDに奏効することが期待されています。