「イミフィンジ+イジュド」併用療法を評価したHIMALAYA試験、4年経過時点の結果を発表
2023/07/25
文:がん+編集部
進行肝細胞がんを対象に、「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+トレメリムマブ(製品名:イジュド)」併用療法を評価したHIMALAYA試験の結果を発表。4年経過時点で、4人に1人の患者さんが生存し、持続的な全生存期間の延長が認められました。
「イミフィンジ+イジュド」併用療法、ソラフェニブと比較して死亡リスクを22%低減
アストラゼネカは2023年6月29日、進行肝細胞がんを対象に、「デュルバルマブ+トレメリムマブ」併用療法を評価したHIMALAYA試験の結果を発表しました。
HIMALAYA試験は、全身療法による治療歴がなく、局所療法が適さない切除不能な進行肝細胞がん患者さん1,324人を対象に、デュルバルマブ単剤療法およびデュルバルマブ1,500mgに加えて、免疫誘導を目的にトレメリムマブ300mgを初回単回追加投与し、その後4週間ごとにデュルバルマブを投与するSTRIDEレジメンと、ソラフェニブ(製品名:ネクサバール)を比較した第3相試験です。
主要評価項目は、STRIDEレジメンの全生存期間、重要な副次評価項目群はデュルバルマブ単剤療法とソラフェニブを比較した全生存期間、STRIDEレジメンとデュルバルマブ単剤療法の客観的奏効率、無増悪生存期間でした。
4年経過時点の解析の結果、STRIDEレジメンはソラフェニブと比較して死亡リスクを22%低減。STRIDEレジメンの推定4年生存率は25.2%でソラフェニブは15.1%でした。また、探索的解析により、肝疾患の病因または他のベースライン時の患者背景にかかわらず、事前に規定していたすべてのサブグループおよび少なくとも3年間生存した患者さんでは、ソラフェニブと比較して、STRIDEレジメンの治療効果が一貫していたことが示されました。
スペイン、パンプローナのClínica Universidad de Navarra肝臓ユニット長および内科教授であり、本試験の治験責任医師であるBruno Sangro医学博士は、次のように述べています。
「これまで、進行肝がん患者さんの5年生存率は7%に過ぎなかったことを鑑みると、HIMALAYA試験の長期生存データは特に意義あるデータと言えます。STRIDEレジメンで治療された患者さんの4人に1人が4年経過時点で生存しており、本対象疾患における標準治療としてのこの新たなレジメンの価値を裏付ける結果となりました」