エルラナタマブ、「再発または難治性の多発性骨髄腫」の効能・効果について国内申請
2023/07/26
文:がん+編集部
再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、抗BCMA/CD3二重特異性抗体製剤エルラナタマブが国内申請されました。
BCMA標的の治療が最初となる患者さんにおいて、客観的奏効率61%
ファイザーは2023年6月29日、「再発または難治性の多発性骨髄腫」対する効能または効果で、抗BCMA/CD3二重特異性抗体製剤エルラナタマブの国内における製造販売承認申請を厚生労働省に行ったことを発表しました。今回の申請は、MagnetisMM-3試験およびMagnetisMM-2試験の結果に基づくものです。
MagnetisMM-3試験は、再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、エルラナタマブ単剤投与の安全性および有効性を検討した第2相試験です。28日を1サイクルとして、76mgを週1回皮下投与し、最初のサイクルでは2段階プライミング投与として1日目にエルラナタマブ12mg、4日目に32mgが投与されました。本剤の投与を6サイクル以上受け、部分奏効以上の奏効が少なくとも2か月間継続した患者さんでは、投与間隔を2週間に1回としました。主要評価項目は客観的奏効率、副次的評価項目は奏効期間、完全奏効率、完全奏効期間、無増悪生存期間、有害事象発現率などでした。
解析の結果、本剤がBCMAを標的とした最初の治療となる患者さんに対するエルラナタマブの客観的奏効率は61%を示し、奏効を認めてから9か月時点で奏効が持続していた患者さんの割合は84%でした。また、エルラナタマブを低用量から開始する2段階プライミング投与により、サイトカイン放出症候群および免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群の発現割合および重症度の低減が認められ、全体として良好な安全性プロファイルが示されました。
ファイザーR&D合同会社の石橋 太郎社長は、次のように述べています。
「本剤の臨床試験にご参加いただいた患者さんとそのご家族、医療機関の皆様に感謝申し上げます。多発性骨髄腫の患者さんに新たな治療選択肢をお届けできるよう、承認取得に向けて関係者各位と引き続き協業してまいります」