エンハーツ、切除不能・転移性のHER2陽性固形がんに対する効能・効果でFDAが承認

2024/05/01

文:がん+編集部

 トラスツズマブ デルクステカン(製品名:エンハーツ)が、前治療歴があり代替の治療手段のない切除不能または転移性のHER2陽性固形がんに対する効能・効果について、米国食品医薬品局(FDA)より承認されました。

エンハーツ、がん種に関わらず承認された初めての抗HER2療法

 第一三共株式会社は2024年4月8日、トラスツズマブ デルクステカンが、治療歴があり代替の治療手段のない切除不能または転移性のHER2陽性固形がんに係る一部変更承認をFDAから取得したことを発表しました。

 今回の承認は、前治療歴のあるHER2発現の進行性固形がん(胆道がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、膵臓がん、希少がん)や、非小細胞肺がん、大腸がんを対象として行われた3つの第2相臨床試験(DESTINY-PanTumor02、DESTINY-Lung01、DESTINY-CRC02)などの結果に基づくものです。

 また今回の承認は、画期的治療薬指定、優先審査、Real-Time Oncology Review(RTOR)プログラムのもとで行われ、検証的試験による臨床的な有用性の検証が条件とされています。

 トラスツズマブ デルクステカンは、がん種に関わらず承認された初めての抗HER2療法で、FDAより承認を受けた適応症は、HER2陽性乳がん、HER2低発現乳がん、HER2陽性胃がん、HER2遺伝子変異がある非小細胞肺がんに続く5つ目となります。

 同社は、次のように述べています。

 「当社は、本剤を通じてがん種横断的に新たな治療の選択肢を提供することで、米国のより多くのHER2陽性の固形がん患者さんに貢献してまいります」