アレセンサ、ALK陽性の早期非小細胞肺がんに対する術後補助療法としてFDAが承認
2024/05/17
文:がん+編集部
ALK融合遺伝子陽性の早期非小細胞肺がんに対する術後補助療法として、アレクチニブ(製品名:アレセンサ)が米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。
アレセンサ、化学療法と比較して再発または死亡リスクを76%低下
中外製薬株式会社は2024年4月19日、FDAが承認した方法により検査されたALK陽性非小細胞肺がん(腫瘍が4cm以上またはリンパ節転移陽性)に対する腫瘍切除後の補助療法として、アレクチニブがFDAより承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、ALINA試験の結果に基づくものです。
ALINA試験は、ステージ1B~3AのALK陽性非小細胞肺がんを完全切除した患者さん257人を対象に、術後補助療法としてアレクチニブとプラチナ製剤ベースの化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無病生存期間、副次評価項目は全生存期間、有害事象の発現状況などでした。
試験の結果、アレクチニブは化学療法と比較して再発または死亡リスクを76%低減し、無病生存期間の統計学的有意な改善が認められました。また、探索的解析では、中枢神経系の無病生存期間についても、アレクチニブは化学療法と比較した再発または死亡のリスクを78%低下させました。
安全性に関しては、これまでに報告された安全性プロファイルと同様で、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
同社の代表取締役社長CEOの奥田 修氏は、次のように述べています。
「当社創製のアレセンサが、ALK陽性早期非小細胞肺がんの術後補助療法として初めて、FDAにより承認されたことを大変嬉しく思います。アレセンサは再発または死亡のリスクを76%低下させることが臨床試験で確認されました。治癒につながり得る新たな治療機会を患者さんにもたらす今回の承認は、ALK陽性早期非小細胞肺がん治療におけるターニングポイントになるものと考えています。世界各国で待ち望む患者さんに、一日も早く本剤によるベネフィットをお届けできるよう、ロシュ社と連携し引き続き邁進して参ります」