進行肝細胞がん対象、一次治療として「オプジーボ+ヤーボイ」を評価したCheckMate-9DW試験の結果を発表

2024/06/27

文:がん+編集部

 進行肝細胞がんを対象に、一次治療として「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」を評価したCheckMate-9DW試験の結果を発表。全生存期間の改善が認められました。

「オプジーボ+ヤーボイ」、レンビマまたはネクサバールと比較して死亡リスク21%低減

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2024年6月4日、CheckMate-9DW試験の結果を2024年米国臨床腫瘍学会年次総会で報告したことを発表しました。

 CheckMate-9DW試験は、全身療法による治療歴のない進行肝細胞がん患者さん668人を対象に、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法を、治験担当医師が選択したレンバチニブ(製品名:レンビマ)またはソラフェニブ(製品名:ネクサバール)単剤療法と比較した無第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、主な副次評価項目は奏効率、症状悪化までの期間などでした。

 約35.2か月(中央値)の追跡調査の結果、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用はレンバチニブまたはソラフェニブと比較して死亡リスクを21%低減。全生存期間の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。全生存期間の中央値は、それぞれ「ニボルマブ+イピリムマブ」は23.7か月、レンバチニブまたはソラフェニブで20.6か月でした。

 主要な副次評価項目である奏効率の解析でも、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。それぞれの奏効率は「ニボルマブ+イピリムマブ」36%、レンバチニブまたはソラフェニブが13%でした。完全奏効率は、レンバチニブまたはソラフェニブの2%に対し、「ニボルマブ+イピリムマブ」は7%で、より高い結果でした。奏効は持続的であり、奏効がみられた患者さんの奏効期間の中央値は、「ニボルマブ+イピリムマブ」30.4か月、レンバチニブまたはソラフェニブ12.9か月でした。

 また、「ニボルマブ+イピリムマブ」は、レンバチニブまたはソラフェニブと比較して症状悪化リスクを24%低減しました。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していました。グレードにかかわらず、治療に関連する有害事象は、「ニボルマブ+イピリムマブ」で84%、レンバチニブまたはソラフェニブで91%の患者さんに報告され、グレード3~4の有害事象は、それぞれ41%と42%でした。

 マインツ大学医療センターのPeter R. Galle医師は、次のように述べています。

 「近年、肝細胞がん治療は進展しているものの、進行期の肝細胞がんの患者さんの予後は今もなお不良であり、生存期間を改善し、病気の進行を遅らせる治療法が必要とされています。CheckMate-9DWのデータは、オプジーボとヤーボイの併用療法の有効性と生存期間の延長効果を確認するものであり、大きな励みになる結果となっています」