エザルミア、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫の治療薬として国内承認

2024/08/07

文:がん+編集部

 バレメトスタット(製品名:エザルミア)が、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫の治療薬として国内承認されました。

エザルミア、VALENTINE-PTCL01試験では全奏効率43.7%(完全奏効14.3%、部分奏効29.4%)

 第一三共株式会社は2024年6月24日、バレメトスタットが、「再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫」の効能または効果に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、VALENTINE-PTCL01試験の結果に基づくものです。

 VALENTINE-PTCL01試験は、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者さんを対象に、バレメトスタットの有効性と安全性を評価した第2相試験です。主要評価項目は奏効率、有害事象数、副次的評価項目は血漿中濃度、奏効期間、完全奏効率、完全奏効期間、部分奏効率などでした。

 解析の結果、奏効率は43.7%(完全奏効14.3%、部分奏効29.4%)でした。奏効期間の中央値は11.9か月、無増悪生存期間の中央値は5.5か月でした。

 安全性に関しては、本剤の他試験と同様の傾向で、新たな懸念は認められませんでした。解析対象の患者さん133人のうち、グレード3以上の有害事象は57.9%で認められました。

 同社は、次のように述べています。

 「本剤は、末梢性T細胞リンパ腫治療を対象に承認された世界で初めてのEZH1/2阻害剤です。2019年4月に、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫の治療を対象として、厚生労働省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、2024年1月に製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。日本で承認を受けた適応症は、再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫に続いて2つ目となります。当社は、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫治療における新たな選択肢を提供することで、日本のより多くの患者さんに貢献してまいります」