「イミフィンジ+化学療法」、MMR欠損がある進行・再発子宮体がんの治療薬としてFDAが承認

2024/08/14

文:がん+編集部

 「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+化学療法」が、ミスマッチ修復機能(MMR)欠損がある進行または再発子宮体がんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。

「イミフィンジ+化学療法」、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを58%低下

 アストラゼネカは2024年6月17日、「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+化学療法」が、MMR欠損がある進行または再発子宮体がんの治療薬としてFDAから承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、DUO-E試験の結果に基づくものです。

 DUO-E試験は、新たに診断された進行子宮体がんまたは再発子宮体がん患者さん699人を対象に、初回治療として「デュルバルマブ+白金製剤ベースの化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)」併用療法後に、デュルバルマブ単剤または「デュルバルマブ+オラパリブ(製品名:リムパーザ)」併用による維持療法を実施した場合と、白金製剤ベースの化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、重要な副次評価項目は全生存期間、安全性、忍容性などでした。

 MMR欠損がある子宮体がん患者さんにおいて、「デュルバルマブ+化学療法」併用療法後のデュルバルマブ単剤療法は、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを58%低減し、無増悪生存期間の改善を認めました。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと概ね一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの婦人科腫瘍学および生殖医学教授であり、DUO-E試験の国際治験調整医師でもあるShannon N. Westin氏は、次のように述べています。

 「今後数十年間で子宮体がんの罹患率および死亡率は引き続き大幅に増加すると予想されることから、患者さんに新たな治療選択肢を治療過程の可能な限り早い段階で提供することがこれまで以上に重要になります。今回の承認は、デュルバルマブと化学療法の併用療法後のデュルバルマブ単剤療法が、ミスマッチ修復機能欠損がある子宮体がん患者さんに重要な臨床的ベネフィットをもたらすという明確なエビデンスを示すものです」