「オプジーボ+ヤーボイ」、治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸がんの効能・効果で国内申請

2024/10/23

文:がん+編集部

 「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法が、「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」に対する効能または効果で国内申請されました。

「オプジーボ+ヤーボイ」、化学療法と比較して統計学的有意に無増悪生存期間を延長

 小野薬品工業株式会社は2024年9月12日、ニボルマブとイピリムマブの併用療法について、「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性を有する結腸・直腸がん」に対する効能または効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、CheckMate-8HW試験の結果に基づくものです。

 CheckMate-8HW試験は、治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highまたはミスマッチ修復欠損(dMMR)を有する結腸・直腸がん患者さん830人を対象に、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法、ニボルマブ単剤療法、化学療法(mFOLFOX6、mFOLFOX6+ベバシズマブもしくはセツキシマブ、FOLFIRI、FOLFIRI+ベバシズマブもしくはセツキシマブ、から治験医師が選択)を比較した第3相試験です。

 主要評価項目は、以下2つの無増悪生存期間でした。1つ目は、中央判定でMSI-HighまたはdMMRが確認され、かつ治療歴のない患者さんに対する、化学療法と比較した「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法の盲検下独立中央評価委員会(BICR)評価による無増悪生存期間でした。2つ目は、全治療ラインの患者さんに対するニボルマブ単剤療法と比較した「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法の無増悪生存期間(BICR評価)でした。

 あらかじめ計画された中間解析の結果、主要評価項目のうちの1つである、MSI-HighまたはdMMRであることが確認された患者さんのうち治療歴のない患者さんに対する無増悪生存期間において、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法は化学療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長が認められました。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社は、次のように述べています。

 「結腸・直腸がんの適応症に関しては、2020年2月にオプジーボ単剤療法および2020年9月にオプジーボとヤーボイの併用療法で『がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん』の効能または効果で承認されています。今回の申請により、オプジーボとヤーボイの併用療法による一次治療への適応拡大の可能性が期待されます」