ニボルマブとイピリムマブの併用療法、中高リスクの進行腎臓がんの1stライン治療薬としてFDAが承認

2018/04/20

文:がん+編集部

 未治療の中高リスクの進行腎細胞がん患者さんに対して、免疫チェックポイント阻害剤のニボルマブ(製品名:オプジーボ)とイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)の併用療法が、米国食品医薬局(FDA)に承認されました。現在、米ブリストル・マイヤーズ スクイプ社(BMS)では、50種類以上のがん種に対して、ニボルマブの臨床試験を350以上行っています。

ニボルマブとイピリムマブの併用療法で、標準治療より全生存期間が延長

 米BMS社は4月16日、ニボルマブとイピリムマブ併用療法が、未治療の中高リスクの進行腎細胞がんに対するがん免疫療法の併用療法薬としてFDAに承認されたことを発表しました。

 ニボルマブとイピリムマブの併用療法と現在の標準治療であるスニチニブ(製品名:スーテント)を比較した第3相CheckMate-214試験の結果、PD-L1の発現レベルにかかわらず全生存期間(OS)の延長が示されました。

 CheckMate-214試験で、ニボルマブと低用量のイピリムマブ2剤の併用療法を受けた患者グループでは、4サイクルで併用投与され、その後ニボルマブによる維持療法を受けています。併用療法を受けた患者グループのうち79%が全4回の投与を完了し、ニボルマブ単剤の維持療法へ進みました。ニボルマブによる維持療法では、用法・容量の柔軟な選択が可能でした。

 CheckMate-214試験のグレード3~4の有害事象は、併用療法で65%、スニチニブで76%と併用療法の方が少ないという結果でした。有害事象による投与の中止に関しては、併用療法の31%、スニチニブで21%です。重篤な副作用では、併用療法の59%、スニチニブの43%で発現しています。

 BMS社では、ニボルマブの単剤療法やほかのがん免疫治療薬との併用療法による臨床試験を350以上実施しています。固形がん、血液がんまで約50種類以上のがん種に対して、ニボルマブの研究が行われています。