進行膀胱がんに対するオプジーボとヤーボイ併用療法が有望な結果
2018/10/24
文:がん+編集部
免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボ(1mg/kg)とヤーボイ(3mg/kg)の併用療法が、進行した膀胱がんに対する第1/2相臨床試験の結果、高い有効性が確認されました。
ニボルマブ(1mg/kg)とイピリムマブ(3mg/kg)併用療法で高い奏効率
小野薬品工業株式会社は10月22日、米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が発表した転移性尿路上皮がん患者を対象とした第1/2相CheckMate-032 試験の結果を発表しました。同試験は、プラチナ製剤による治療歴のある転移性尿路上皮がん患者に対するニボルマブ(3mg/kg)(製品名:オプジーボ)とイピリムマブ(1mg/kg)(製品名:ヤーボイ)併用療法とオプジーボ単独療法をニボルマブ(1mg/kg)(製品名:オプジーボ)とイピリムマブ(3mg/kg)(製品名:ヤーボイ)併用療法と比較したものです。
試験の結果、ニボルマブ(1mg/kg)とイピリムマブ(3mg/kg)併用療法がより高い奏効率(ORR)※1を示したそうです。同試験を受けた患者さんは、複数の治療歴があり、その大半が2種類以上の治療レジメンを受けていました。全般的な安全性は、同様の投与スケジュールによるオプジーボとヤーボイの併用療法のこれまでの試験と一貫していました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、メラノーマおよび泌尿生殖器がん領域の開発責任者であるArvin Yang氏は「オプジーボとヤーボイの併用療法は、これまで広範な腫瘍タイプと治療段階にわたり、持続的な有効性を示してきました。転移性尿路上皮がんの患者さんにおける併用療法のこれらのデータにも、私たちは同様に勇気付けられています。今後も、がん免疫療法レジメンの可能性を最大限に追求するとともに、この重要な併用療法が同患者集団にもたらす可能性のあるベネフィットに期待しています」とコメントしています。
第1/2相CheckMate -032 試験の結果
奏効率(ORR)
ニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg):38%(最短7.9か月の追跡調査)ニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg):27%(最短38.8か月の追跡調査)
ニボルマブ単独:26%(最短37.7か月の追跡調査)
無増悪生存期間(PFS)※2、全生存期間(OS)※3
ニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg):4.9か月(PFS)15.3か月(OS)
ニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg):2.6か月(PFS)7.4か月(OS)
ニボルマブ単独:2.8か月(PFS)9.9か月(OS)
※1 治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。
※2 奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※3 患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。