相談:ESDか腹腔鏡手術か、術式の選択で悩んでいます

手術(外科治療) 治療選択

昨秋にクリニックで大腸内視鏡検査を受けたところ、肛門から15cmの所に大きな腫瘍があると指摘されました。その後、紹介された病院で検査入院をし、その際、内視鏡による摘出を試みましたが、大きすぎて取れないと言われてしまいました。それから1週間後、同じ病院で詳しい検査を受けました。現在、病理結果待ちの状態ですが、検査の時点では、「初期の大腸がんで、リンパ節への転移はなさそうだけど、腫瘍の根元の腸が腫瘍に向けてねじれて巻き付くようになっている珍しいタイプではないか」と言われました。

そこで治療選択について質問です。1つは内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)で取る方法。これで取り切れる確率は3分の2以下で、病理結果次第では腹腔鏡手術など追加処置が必要になる可能性があるとのことです。もう1つは初めから腹腔鏡手術で摘出する方法。この場合、周りのリンパ節まで全て1回で取れるそうですが、術後の排便障害などが大変と聞きました。どちらの治療法がいいのか迷っています。

(本人、女性)

回答:リンパ節転移の可能性がほとんどなく、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にある場合に内視鏡治療の適応となる

大腸癌研究会の「大腸癌治療ガイドライン」によると、大腸がんの治療のポイントは以下の通りです。

内視鏡治療に関して
・内視鏡治療の適応となるのは、リンパ節転移の可能性がほとんどなく、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にある場合です
・内視鏡的切除は、診断と治療の2つを目的に行われます
・内視鏡的切除では、切除した組織を調べること(切除生検)で治療の根治性と外科的治療の必要性が判定されます
・内視鏡的切除後は、切除した局所を詳細に観察し病変の取り残しがないかが確認されます
・内視鏡的切除後に追加切除が必要と判定された場合は、外科的手術が行われます

直腸がん手術に関して
・直腸がんの手術は、「括約筋温存」「自律神経温存」など術後の生活の質(QOL)が考慮して行われます
・括約筋温存は、術後の肛門機能を保つために行われます
・自律神経温存は、根治性を損なわない範囲で、排尿機能、性機能温存(男性の場合)のために行われます
・腹腔鏡下手術は、がんの位置や進行度、肥満、開腹歴の有無などにより適応が判断されます
・内視鏡的切除後に、外科的切除が必要になる場合もあります。...

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