相談:後腹膜脂肪肉腫の手術後の治療はどのようなものか

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従兄が今年、座ると腹部に痛みを感じ下腹部が張っていたため、検査をしたところ腫瘍が見つかりました。すぐに手術を受け、腹膜の上と十二指腸に拳くらいの大きさの腫瘍が1個、小さいのが3、4個あり、十二指腸も少し切ったそうです。手術後の病理診断では、悪性腫瘍(後腹膜脂肪肉腫)でした。 現在、医師から提案されたのは化学療法で、余命は1~3年だといわれたそうです。従兄はまだ50代で、とても明るく元気な人で、人柄もよく温厚で誰からも愛されています。あと1~3年しか生きられないということは、本人も私たちもどうしても受け入れられません。新しい治療法や薬などないでしょうか。

(親戚、男性)

回答:薬物療法や放射線治療など他の治療方法を担当する医師と相談し治療計画を立てる

国立がん研究センターの希少がんセンターの情報によると、後腹膜脂肪肉腫の治療は以下の通りです。

CT・MRIなどの画像診断と病理検査により確定診断を行い治療方針を決めます。...
高分化脂肪肉腫の場合は、腫瘍が大きくても周辺の組織との癒着は軽度であることもあり、その場合は比較的順調に手術ができます。同じ脂肪肉腫の仲間であっても脱分化成分の部分や、他の周辺組織へ広く深く浸潤している腫瘍については、周囲への癒着が強いことが多く、手術がより大がかりとなり、難しいことがあります。

腫瘍が再発した場合や転移がある場合は、手術が有効であるかどうかは状況によって異なります。薬物療法や放射線治療といった他の治療方法を担当する医師と相談のうえで、治療の計画を立てます。

また、大阪急性期・総合医療センターの泌尿器科による後腹膜脂肪肉腫に対する報告によると、一般的な悪性軟部腫瘍と同様に、切除可能なら手術を行い、再発に対しては手術、化学療法、もしくは緩和ケアが選択されます。切除不能や遠隔転移がある場合は、化学療法が選択されるのが通常で、第一選択薬はドキソルビシン単剤療法です。ドキソルビシンが使えない場合は、イホスファミド単剤療法、全身状態が良好で合併症がない場合には、ドキソルビシンとイホスファミドの併用療法が選択されます。

脱分化型脂肪肉腫や平滑筋肉腫に対しては、ドセタキセルとゲムシタビンの併用が選択されることもあります。局所再発予防ならびに生存期間の改善を目的として、術前/術中/術後の補助放射線療法や術前/術後の補助化学療法の有効性が示唆されていますが、残念ながら現時点では、手術単独と比較されたランダム化比較試験はありません。しかし、ランダム化比較試験ではありませんが、手術単独より手術後に補助化学療法を行った方が、生存期間が短縮したという報告はあります。

術前または術後の放射線療法を併用した場合、手術単独と比べて生存期間が有意に改善したという報告があります。後腹膜脂肪肉腫の治療では再発予防が重要で、再発リスクの高い患者さんに対しては、放射線療法などの補助療法の必要性が示唆されます。

参考文献
国立がん研究センター希少がんセンター後腹膜の肉腫
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/retroperitoneal_sarcoma/index.html#:~:text=%E5%BE%8C%E8%85%B9%E8%86%9C%E8%82%89%E8%85%AB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6,%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

大阪急総医誌40(1):7~10、2018.後腹膜原発脂肪肉腫の臨床的検討
http://www.gh.opho.jp/pdf/medicaljournal/040/medicaljournal_040_002.pdf

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