職業関連性胆道がん、免疫療法の医師主導治験を開始

文:がん+編集部

 職業関連性胆道がんを対象にとした免疫療法の医師主導治験が、国立がん研究センター東病院と大阪市立大学医学部附属病院で開始されました。

国がん東病院と大阪市大病院の2施設で実施

 大阪市立大学は6月26日、印刷業などで使用する化学物質が原因で発生した「職業関連性胆道がん」を対象に、免疫療法の医師主導治験を開始したことを発表。免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ」(製品名:オプジーボ)単剤の有効性と安全性を検討することを目的とした医師主導第2相臨床試験です。

 職業関連性胆道がんは、印刷業などで使用する1,2-ジクロロプロパンやジクロロメタンなどの有機溶剤が原因とされており、2013年に労働災害に認定されました。通常の胆道がんと比べ、30~40歳代の若年層で発症、遺伝子変異が多い、がん細胞にPD-L1の発現、といった特徴が見られます。免疫チェックポイント阻害薬の有効性が期待できることから、この治験が計画されました。海外の臨床試験では、遺伝子変異の多い症例に対し、免疫チェックポイント阻害薬のより高い有効性が示されています。

 本試験の対象は、職業に関連した業務により労災認定を受けた20歳以上の切除不能または再発胆道がん(肝内胆道がん、肝外胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がん)の患者さん。国立がん研究センター東病院と大阪市立大学医学部附属病院の2施設で行われ、最大16人の患者さんに対して治験が行われます。胆道がんは、周囲のリンパ節や臓器に広がりやすい特徴があり、切除不能な胆道がんの場合は化学療法が行われます。

 職業関連性胆道がんの治療において、高い効果が証明された標準治療が現時点ではないため、今回の治験により治療選択肢が広がる可能性が期待されます。