転移性大腸がん、スチバーガとオプジーボの併用療法を評価する3社契約を締結

文:がん+編集部

 マイクロサテライト安定性の転移性大腸がん患者さんを対象とした、レゴラフェニブ(製品名:スチバーガ)とニボルマブ(製品名:オプジーボ)の併用療法を評価するために、バイエル、ブリストル、小野薬品工業の3社が開発提携契約を締結しました。

REGONIVO試験で併用療法が有望な予備的有効性を示す

 小野薬品工業株式会社は7月19日、転移性大腸がんで最も多い、マイクロサテライト安定性転移性大腸がんに対する、レゴラフェニブ+ニボルマブ併用療法を評価するために、バイエル、ブリストルと3社で開発提携契約を締結したと発表しました。

 レゴラフェニブは、腫瘍血管新生、発がん、腫瘍免疫に関するさまざまなプロテインキナーゼを強力に阻害するマルチキナーゼ阻害剤で、バイエル社が開発したものです。転移性大腸がん治療の適応で、日本を含む世界90か国で承認されています。

 転移性大腸がんの95%を占めるマイクロサテライト安定性の患者さんにおいて、免疫チェックポイント阻害薬単剤の効果は限定的。併用療法でのアプローチを含め、さらなる治療選択肢が強く必要とされている現状があります。

 第3相CORRECT試験において、レゴラフェニブ単剤療法とプラセボと比較した結果、全生存期間において有効性が示され、マイクロサテライトの状態に関わらず活性が示されましたが、奏効に関しては限定的でした。また、日本の医師主導で行われた第1b相試験REGONIVO試験においては、レゴラフェニブ+ニボルマブ併用療法が、有望な予備的有効性を示し、2019年の米国臨床腫瘍学会で発表されました。

 今回の3社による開発提携契約により、転移性大腸がんにおける新たな治療の開発が推進されることが期待されます。各社より次のようにコメントが発表されています。

 バイエル社 シニア・バイス・プレジデント Scott Z.Fieds氏 「REGONIVO試験のデータは、大腸がん患者さんにおいて、レゴラフェニブとニボルマブの併用療法をさらに検証することを裏付けるものとなりました。レゴラフェニブは、3次治療の単剤療法として、その有効性および肯定的な安全性プロファイルが確認されており、今回、この併用療法を評価する開発提携を締結できたことをうれしく思うとともに、患者さんにさらなる治療的ベネフィットをお届けできるものと期待しています」。

 ブリストル・マイヤーズ スクイプ社 腫瘍領域担当開発責任者 Fouad Namouni氏 「当社のパイプラインの可能性を最大限に引き出すため、引き続き革新的なアプローチに取り組んでいきます。特に、がん免疫療法薬に反応しないより多くのがん患者さんを助けるために、引き続き新たな併用療法を検討していきます。より多くのがん患者さんを救うことを目標として、レゴラフェニブとニボルマブとの併用療法を評価するため、密に協働していきます」。

 小野薬品工業 執行役員開発本部長 出光清昭氏 「他の薬剤との併用療法を含め、ニボルマブの開発に積極的に取り組んでいます。大腸がんをはじめさまざまながん患者さんの新たな治療選択肢としてこの併用療法を評価するために、バイエル社およびブリストル・マイヤーズ スクイプ社との開発提携を開始することを大変うれしく思います」。