中咽頭がんに対する経口的ダビンチ手術のメリットとは

文:がん+編集部

 中咽頭がんに対して、首を切開せずに口から細い器具を使ったロボット支援手術が行われました。経過は良好です。

首を切らない、口から器具を入れ低侵襲な手術が可能

 藤田医科大学病院は7月17日、中部地方初となるロボット支援下経口的中咽頭がんの切除手術を実施したことを発表しました。患者さんの経過は良好で、術後4日目から食事を開始しています。

 咽喉頭は、鼻の奥から口、喉を経て気管に続く部位です。そのため、呼吸、食べる、飲み込む、声を出すなど生活上重要な機能が集中しています。首を切開して行う外科手術では、術後数週間から2、3か月は食事が飲み込めず、声を出すのも困難なこともあります。また、美容面でも配慮が必要な場所だけに、なるべく低侵襲な治療が求められます。

 ダビンチを使ったロボット支援下手術では、口から細い内視鏡や手術器具を入れて行うため、首を切開する外科手術と異なり手術痕が残りません。局所制御により傷が小さくて済むため、早期の嚥下、声を出すことが可能です。

 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域でのロボット支援下手術は、2009年に米国での経口的ロボット支援下手術の承認を皮切りに、世界的に普及しつつあります。咽喉頭がんへの適応拡大を目的に、2015~16年にかけて同院耳鼻咽喉科・気管食道科の楯谷一郎教授主導の下、先進医療Bとして東京医科大学、鳥取大学、京都大学でロボット支援手術の多施設臨床試験を実施。2018年8月、経口に限り頭頸部外科領域でのロボット支援下手術が薬機法の適応として承認されました。現在は実施に関する体制の整備が進められており、2020年度の診療報酬改定での保険収載が期待されています。