チラブルチニブ、難治性の中枢神経系原発リンパ腫で国内承認申請

文:がん+編集部

 難治性の中枢神経系原発リンパ腫の効能・効果で、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬「チラブルチニブ」が国内承認申請されました。

再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫の新たな治療薬として期待

 小野薬品工業は8月28日、BTK阻害薬「チラブルチニブ」について、国内製造販売承認申請を行ったことを発表しました。再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫に対する効能・効果です。今回の申請は、多施設共同非盲検非対照第1または第2相試験(ONO-4059-02試験)に基づくものです。

 ONO-4059-02試験は、再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫患者さん44人を対象に行われました。チラブルチニブが1日1回経口投与され、主要評価項目として有効性および安全性、忍容性、薬物動態、副次的評価項目として奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間が評価されました。2018年8月20日に、厚生労働省から中枢神経系原発リンパ腫を予定とする効能・効果で希少疾患病用医薬品に指定されています。

 チラブルチニブは、B細胞腫瘍患者および自己免疫疾患患者を対象に開発が進められている治療薬。B細胞受容体シグナル伝達経路は、B細胞系リンパ球細胞の生存、活性化、増殖、成熟および分化に関して中心的役割を担っています。B細胞性非ホジキンリンパ腫や慢性リンパ性白血病では、B細胞受容体シグナル伝達経路が恒常的に活発化しています。BTKは、このB細胞受容体シグナル伝達経路の下流に位置している物質で、チラブルチニブはこのBTKを阻害することで治療効果を発揮します。

 中枢神経系原発リンパ腫は、初発時に病変が脳脊髄(眼を含む)に局在する悪性リンパ腫で、悪性のBリンパ球が増殖することで発症します。国内の患者数は980人と推定されている希少がんの1つです。現在の治療は、高用量のメトトレキサート療法をベースとした薬物療法とその後の全脳放射線療法が行われています。長期寛解する一部の患者さんはいるものの、初回治療が奏効しない難治性の患者さんもおり、新たな治療薬が期待されています。