カドサイラ、早期乳がんの術前療法として適応拡大の承認申請

文:がん+編集部

 HER2陽性の早期乳がんに対する術後薬物療法として、トラスツズマブ エムタンシン(製品名:カドサイラ)の適応拡大の承認申請が行われました。

カドサイラ、ハーセプチンと比較して浸潤性のない無病生存率で優越性を示す

 中外製薬は8月30日、抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体「トラスツズマブ エムタンシン」のHER2陽性の早期乳がんにおける術後薬物療法を効能・効果として、厚生労働省に対して適応拡大の承認申請を行ったことを発表しました。第3相国際共同臨床試験KATHERINE試験の結果に基づくものです。

 KATHERINE試験は、トラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)を含む術前薬物療法で完全奏効が得られなかったHER2陽性の早期乳がん患者さん約1,500人を対象に行われました。トラスツズマブとトラスツズマブ エムタンシンを比較して、浸潤性のない無病生存率(IDFS)を主要評価項目として評価。1回目の中間解析の結果、トラスツズマブ エムタンシンはトラスツズマブに対するIDFSの優越性が認められましたが、同時点で評価された副次的評価項目である全生存期間では、優越性は認められていません。トラスツズマブ エムタンシンに対する有害事象は、98.8%に認められましたが、HER2陽性転移性乳がんに対する治療として認められている安全性プロファイルと同様でした。

 同社の上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康氏は「術前薬物療法により病理学的完全奏効が得られなかった際の治療開発は未だアンメットメディカルニーズが高く、今回の申請は新たな術後薬物療法の選択肢としてカドサイラを患者さんに提供するための第一歩となります」と、述べるとともに「ハーセプチン、パージェタ、カドサイラを有する当社のHER2フランチャイズは、HER2陽性乳がんの治療成績の向上に貢献してまいりました。本適応においてもカドサイラが早期に承認されるよう、当局との協議を続けてまいります」と、述べています。