膵臓がんを早期発見する新規バイオマーカーを測定する技術を開発

文:がん+編集部

 早期の膵臓がんを含む難治性の消化器がんを早期発見するための、新規バイオマーカーの測定技術が開発されました。

がん治療効果の予測にも、生存率の飛躍的上昇も期待

 大阪大学は8月30日、血液中に含まれるマイクロRNAのメチル化率を測定する新技術の開発に成功しました。この技術は、従来の腫瘍マーカーより高感度、高特異度で早期の膵臓がんを含む難治性消化器がんを検出するものです。同大学大学院医学系研究科の今野雅允寄附講座講師、石井秀始特任教授、江口英利准教授、森正樹教授、土岐祐一郎教授らの研究グループによるものです。

 研究グループは、マイクロRNAの「量」ではなく、RNAのメチル化率という「質」に注目。研究において、胃がん、大腸がん、膵臓がんなど消化器がん患者さんと健常者の血液中に含まれるマイクロRNAを抽出し、マイクロRNAのメチル化率を測定。その結果、マイクロRNAのメチル化率が各種消化器がんの腫瘍マーカーなることを発見しました。これまで検出が困難であったステージ1、2の早期の膵臓がんを含む難治性の消化器がんに対して検出が可能となったそうです。この研究を発展させることで、がんの早期診断技術開発が期待されます。

 「本研究成果により、RNAのメチル化を測定することはがんの診断に有用であることが示されました。この技術を応用、発展させることで、がんの有無だけではなく、がんの種類、がん摘出手術後のがんの残存および治療に対する反応性を予測する技術の確立が期待されます。これが実現すれば、がんを現在より早期に高精度、高感度に発見できるだけでなく、治療効果の予測に対する優れた指標を得ることとなり、がん患者さんの生存率が飛躍的に上昇することができると期待されます」と、研究グループは述べています。