HER2陽性胆道がん、医師主導治験開始

文:がん+編集部

 HER2陽性胆道がんを対象とした医師主導治験が開始されました。抗HER2抗体薬複合体製剤トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)の有効性と安全性を評価します。

胆道がん初、遺伝子異常をターゲットとした治験

 国立がん研究センターは9月2日、HER2陽性胆道がん患者さんを対象とした、医師主導のHERB試験を開始したことを発表しました。

 この治験は、ゲムシタビン(製品名:ジェムザール)を含む治療に不応・不耐のHER2陽性の切除不能または再発胆道がんを対象に、トラスツズマブ デルクステカンを投与して有効性と安全性を評価する単群非盲検の第2相臨床試験です。本試験は、国立がん研究センター中央病院で開始し、順次参加施設を追加し5施設による共同研究として実施される予定です。現在、国立がん研究センター中央病院、北海道大学病院、神奈川県立がんセンターの3施設で治験登録が可能です。

 胆道がんは、治療選択肢が少ない難治がんで、遺伝子異常に基づくゲノム医療で実用化されたものがありません。今回の治験では、胆道がん患者さんの1~2割程度に見られるHER2陽性(HER2タンパクの過剰発現・HER2遺伝子の増幅が見られる状態)を対象に、抗HER2抗体薬複合体製剤であるトラスツズマブ デルクステカンが投与されます。今回、HER2陽性胆道がんに対してトラスツズマブ デルクステカンの有効性が確認されれば、胆道がん治療の選択肢が増えるだけでなく、遺伝子異常に基づく治療薬の開発が促進されることも期待されます。