オプジーボ、キイトルーダの効果予測を可能にするバイオマーカー発見

文:がん+編集部

 非小細胞肺がんに対する抗PD-1抗体の効果を予測、モニタリングする血清バイオマーカーが同定されました。

患者の身体的負担、医療費の軽減にも期待

 川崎医科大学は9月6日、非小細胞肺がんに対するニボルマブ(製品名:オプジーボ)またはペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の効果予測を可能にし、モニタリングする血清バイオマーカーを世界で初めて同定したことを発表しました。同大免疫腫瘍学教室 岡 三喜男特任教授、長崎大学病院がん診療センター 福田実准教授、広島大学大学院医系科学研究科分子内科学 服部登教授、理化学研究所医科学イノベーションハブ推進プログラム がん免疫データ多層統合ユニット 垣見和宏ユニットリーダーの共同研究によるものです。

 研究グループは、がん細胞に特異的に発現するがん抗原と免疫反応に関して研究してきた中で、肺腺がんに特異的に発現する「XAGEI」という抗原と、扁平上皮肺がんに発現する「NY-ESO-1」という抗原に注目。この抗原に対する患者さんの血清中の抗体を測定しました。

 ニボルマブまたはペムブロリズマブが投与された非小細胞肺がん患者さん75人を調べたところ、抗体がある患者さんの65%で奏効し、抗体がなかった患者さんでは19%しか奏効しておらず、抗体陽性患者さんでは有意に生存期間の延長が認められました。さらに、抗PD-1抗体薬は非喫煙者に効かないとされていましたが、非喫煙の抗体陽性患者さんで奏効し、うち患者さん1人は完全にがんが消えていました。また、抗体は効果に伴い低下し、効果のモニタリングにも有効でした。

 本研究の成果により、抗PD-1抗体薬の効果や予後予測、治療期間の設定が可能となります。また、この血清バイオマーカーは簡便、安価、迅速(20 分以内)で繰り返し検査ができるため、患者さんの身体的負担の軽減はもちろん、医療費の軽減にもつながることが期待されます。