オプジーボ、食道がんに対する治験で全生存期間を有意に延長
2019/10/24
文:がん+編集部
食道がんに対する第3相ATTRACTION-3試験で、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)が、化学療法と比較して全生存期間が統計学的に有意な延長を示しました。
オプジーボ、化学療法と比較して死亡リスク23%低減
小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は10月1日、食道がん患者さんを対象としたATTRACTION-3試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で報告したと発表しました。
ATTRACTION-3試験は、フルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応・不耐となった切除不能な進行または再発患者さん419人を対象とした非盲検第3相臨床試験です。ニボルマブと化学療法(ドセタキセルまたはパクリタキセル)を、病勢進行もしくは忍容できない毒性の発現が認められるまで投与。主要評価項目の全生存期間と副次的評価項目の無増悪生存期間、奏効率、奏効期間で評価されました。
本試験の最終解析で、ニボルマブ群は全生存期間の有意な延長を示し、死亡リスクを23%低減しました(ハザード比0.77;95%信頼区間:0.62-0.96;p値=0.019)。全生存期間の中央値は、ニボルマブ群が10.9か月、化学療法群が8.4か月でした。12か月の全生存率は、ニボルマブが47%、化学療法が34%、18か月の全生存率は、ニボルマブ群が31%、化学療法群が21%でした。奏効率は、ニボルマブ群19%、化学療法群22%、奏効期間の中央値は、ニボルマブ6.9か月、化学療法3.9か月で、無増悪生存期間の中央値は、ニボルマブ1.7か月、化学療法3.4か月という結果でした。
安全性に関して、グレードを問わない有害事象の発現は、ニボルマブ群66%、化学療法群95%でした。また、グレード3~4の有害事象はニボルマブ群が18%、化学療法群が63%で認められました。