イミフィンジ+化学療法併用、ステージ4の非小細胞肺がん治験で無増悪生存期間を延長

2019/11/22

文:がん+編集部

 ステージ4の非小細胞肺がんに対する治験で、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)とトレメリムマブが、化学療法との併用療法において無増悪生存期間を延長しました。

トレメリムマブを併用療法に加えると、治療困難な患者さんに対し新たな可能性も

 アストラゼネカは10月28日、ステージ4の転移性非小細胞肺がんを対象としたデュルバルマブと化学療法の併用療法を評価した第3相臨床試験(POSEIDON試験)において良好な結果が得られたことを発表しました。

 POSEIDON試験は、すべてのPD-L1発現レベルの非小細胞肺がんの患者さんが対象で、今回実施されたのは3つの療法です。 ・デュルバルマブ(1,500mg)+化学療法  ・デュルバルマブ(1,500mg)+トレメリムマブ(75mg)+化学療法 ・化学療法単独 デュルバルマブを投与する2つの群は、3週間ごとに4サイクル投与。その後、4週間ごとにデュルバルマブによる維持療法、または4週間ごとにデュルバルマブに1回のみのトレメリムマブを加える維持療法が行われました。化学療法単独群は6サイクルを上限に実施されました。

 その結果、化学療法単独投与群と比較して、デュルバルマブを投与した群は、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間の延長が認められました。また、デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法群は、化学療法単独投与と比較しても統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間の延長が認められました。

 安全性に関しては、これまで行われたデュルバルマブの試験と同様であり、デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法の併用でも、治療中止の増加はみられませんでした。

 同社のオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselga氏は次のように述べています。「今回のPOSEIDON試験は、ステージ4の非小細胞肺がん患者さんに対するイミフィンジの有効性を証明する良好な結果となりました。本試験では、扁平上皮がんの患者さんを多く含み、化学療法レジメンの選択肢が多岐にわたる試験集団において臨床上のベネフィットが認められました。また、安全性プロファイルを考慮すると、イミフィンジと化学療法にトレメリムマブを上乗せすることは、治療が困難な患者さんに対する治療法として新たな可能性を示していると言えます」