ニンラーロ、多発性骨髄腫の治験で無増悪生存期間を達成

文:がん+編集部

 多発性骨髄腫に対するイキサゾミブクエン酸エステル(製品名:ニンラーロ)の治験で、主要評価項目である無増悪生存期間を達成。

多発性骨髄腫の維持療法として、ニンラーロ初検証試験

 武田薬品工業は11月8日、イキサゾミブクエン酸エステルの無作為化臨床第3相試験「TOURMALINE-MM4」において、主要評価項目である無増悪生存期間を達成したことを発表しました。

 TOURMALINE-MM4試験は、自家造血幹細胞移植を受けていない初発の多発性骨髄腫患者さんを対象に、イキサゾミブクエン酸エステルとプラセボを比較して、維持療法としての有効性を評価した臨床試験です。同剤は維持療法としては承認取得しておらず、初回導入療法で使用されなかった薬剤に切り替え、維持療法として検証した初めての試験です。

 同剤は、多発性骨髄腫治療に用いられるプロテアソーム阻害薬という種類の薬。骨髄腫細胞は、細胞内にあるさまざまなタンパク質のはたらきによって、分裂と増殖を繰り返していきます。役割を終えて不要になったタンパク質は、プロテアソームという酵素によってバラバラに分解され処理されます。プロテアソームの作用を阻害すると、不要になったタンパク質が分解されなくなり、その結果として骨髄腫細胞を死滅させます。

 プロテアソーム阻害薬は、第1世代のボルテゾミブ、第2世代のカルフィルゾミブ、第3世代のイキサゾミブクエン酸エステルの3剤があります。このうち、ボルテゾミブとカルフィルゾミブは注射剤ですが、イキサゾミブクエン酸エステルは経口薬です。

 同社のOncology Therapeutic Area Unit HeadであるPhil Rowlands氏は「我々はTOURMALINE-MM4試験の結果により、多発性骨髄腫の患者さんに維持療法の選択肢をお届けするという目標に向けてさらに前進することができます。また、主要評価項目を達成したニンラーロの臨床第3相TOURMALINE試験が本試験で3つ目であることは非常に重要です。当社は、忍容性が良好で、利便性の高い治療選択肢を患者さんにお届けするため、今後も全力で研究開発に取り組んでまいります」と、述べています。