HER2陽性乳がんに対するDS-8201の治験結果をSABCSで発表

文:がん+編集部

 HER2陽性乳がんを対象とした、DS-8201(トラスツズマブ デルクステカン)の第2相臨床試験のデータが米国サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表されました。

DS-8201の治験結果、奏効率60%/病勢コントロール率97.3%

 第一三共は2019年12月12日、HER2陽性の再発・転移性乳がん患者さんに対するHER2抗体薬物複合体DS-8201のグローバル第2相臨床試験「DESTINY-Breast01試験」のデータを、米国サンアントニオで開催かれた乳がんシンポジウムで報告したことを発表しました。

 DESTINY-Breast01試験は、平均で6つの前治療歴(T-DM1、トラスツズマブ、ペルツズマブ、その他抗HER2療法、ホルモン療法など)がある184人の患者さんを対象に、DS-8201の単剤療法(5.4mg/kg)を評価した臨床試験です。

 主要評価項目である客観的奏効率は60.9%、病勢コントロール率は97.3%、奏効期間中央値は14.8か月、無増悪生存期間中央値は16.4か月、全生存期間中央値は未達という結果でした。安全性に関しては、第1相臨床試験と同様の傾向が認められ、グレード3以上の有害事象は、好中球数減少20.7%、貧血8.7%、悪心7.6%、白血球数減少6.5%、リンパ球数減少6.5%および疲労6%が認められました。間質性肺疾は、13.6 %が治験薬と関連があると判定され、グレード1および2が10.9 %、グレード3が0.5%、間質性肺疾に起因する死亡は2.2%でした。

 同社は今回の臨床試験の結果の発表に際し、次のように述べています。

 「現在、HER2陽性の再発・転移性乳がん患者において、既存の抗HER2療法が抵抗性になった際の治療の選択肢は限られています。当社とアストラゼネカは、再発・転移性乳がん患者さんへ本剤を一日でも早く提供できることを期待しております」

 同社とアストラゼネカは2019年3月に、DS-8201の共同開発ならびに商業化する契約を締結しています。