キイトルーダと化学療法併用、進展型小細胞肺がんの初回治療で無増悪生存期間を改善

2020/01/31

文:がん+編集部

 進展型小細胞肺がんの初回治療として、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)と化学療法の併用療法が、化学療法単独に比べ、無増悪生存期間を有意に改善しました。

キイトルーダ併用療法、化学療法単独と比較して病勢進行を低減

 米メルクは1月6日、進展型小細胞肺がん患者さんの初回治療として、抗PD-1抗体ペムブロリズマブと化学療法の併用療法を評価したKEYNOTE-604試験で、無増悪生存期間が延長されたことを発表しました。

 KEYNOTE-604試験は、新たに進展型小細胞肺がんと診断された患者さん453人を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照の第3相臨床試験です。ペムブロリズマブと化学療法(エトポシド+シスプラチンまたはカルボプラチン)の併用療法と、化学療法単独(プラセボ併用)を比較して、主要評価項目として全生存期間、無増悪生存期間、副次的評価項目として客観的奏効率、奏効期間、安全性、QOLなどで評価しました。

 その結果、ペムブロリズマブと化学療法併用は、化学療法(プラセボ併用)と比較して、無増悪生存期間を有意に延長。全生存期間も延長しましたが、統計学的に有意な改善は認められませんでした。安全性に関しては、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。

 同社の研究開発本部のシニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、次のように述べています。

 「KEYNOTE-604試験の結果はキイトルーダと化学療法の併用により、非常に悪性度の高い腫瘍である進展型小細胞肺がんと新たに診断された患者さんの治療効果の改善が期待できるものです。この試験に参加してくださった患者さんや治験責任医師の皆さまに心から感謝しており、当社は治療が困難な肺がんの患者さんのために今後も取り組んでまいります」