アレセンサ、ALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫で適応拡大
2020/03/09
文:がん+編集部
ALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対する効能・効果で、アレクチニブ(製品名:アレセンサ)が適応拡大されました。
医師主導治験の結果、奏効率80%、副作用は全患者で認められる
中外製薬は2月21日、ALK阻害薬アレクチニブが、再発または難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対する適応拡大の承認を厚生労働省から取得したことを発表しました。今回の承認は、日本医療研究開発機構の「革新的がん医療実用化研究事業」として2015年5月から実施された医師主導治験(ALC-ALCL試験)の成績に基づいています。。
ALC-ALCL試験は、6~70歳の再発または難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫の患者さん10人を対象に行われた臨床試験です。主要評価項目の奏効率は80%で、副作用は全患者さんで認められましたが、主な副作用は斑状丘疹状皮疹40%、上気道感染、気管支炎および血中アルカリホスファターゼ増加がそれぞれ30%でした。
同社の上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の奥田修氏は、次のように述べています。
「ALCLの治療には化学療法が用いられますが、施行後に再発した場合の標準治療は確立されておらず、新しい医薬品の開発が望まれていました。アレセンサの承認は、この満たされないメディカルニーズに対し、新たな治療手段をもたらすものです。ALK陽性非小細胞肺がんに対する標準治療の1つであるアレセンサが、血液がんにおいても治療に大きく貢献できるよう努めてまいります」