前治療後に進行したTMB-High固形がんに対する治療薬として、キイトルーダの承認申請をFDAが受理

2020/04/30

文:がん+編集部

 ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)が、前治療後に進行した腫瘍遺伝子変異量高値(TMB-High)の患者さんに対する単独療法としてFDAが承認申請を受理し、優先審査指定しました。

TMB-Highの切除不能または転移を有する固形がんに対する単独療法として迅速承認を目指す

 米メルク社は4月7日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブの承認一部変更申請がFDAに受理され、優先審査項目に指定されたことを発表しました。今回の承認申請は、第2相KEYNOTE-158試験の結果に基づくものです。

 KEYNOTE-158試験は、一次治療として標準的な化学療法歴のある切除不能な局所進行または転移性のミスマッチ修復(MMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん患者さんに対する、ペムブロリズマブの有効性と安全性を評価した臨床試験です。

 ペムブロリズマブは2017年に、がん種横断的に共通するバイオマーカーに基づいて、MSI-Highまたはミスマッチ修復機能欠損の固形がんを適応症としてFDAの承認を取得しています。MSI-Highの固形がんでは、TMBが非常に高いことが認められているため、KEYNOTE-158試験の結果に基づき承認申請が行われました。

 同社の研究開発本部クリニカルリサーチ バイスプレジデントのScot Ebbinghaus博士は、次のように述べています。

 「バイオマーカー研究は、当初より、キイトルーダの単独療法を評価する臨床プログラムにおける重要な研究分野でした。TMBはキイトルーダの効果が最も期待される患者さんを特定するものとして科学的に注目されてきました。キイトルーダの単独療法を、治療選択肢の限られている二次治療以降のがん患者さんに提供できるよう、審査プロセスを通じてFDAと協力していきたいと思います」