オプジーボとヤーボイ併用に化学療法を追加した治療法を、進行または再発性非小細胞肺がんの一次治療としてFDAが承認

2020/06/19

文:がん+編集部

 進行または再発性の非小細胞肺がんの一次治療薬として、化学療法を限定して追加したニボルマブ(製品名:オプジーボ)とイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法を、米国食品医薬品局(FDA)が承認しました。

CheckMate-9LA試験の中間解析では、ニボルマブとイピリムマブ併用療法+化学療法が死亡リスクを31%低減

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は5月26日、ニボルマブとイピリムマブ併用療法にプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を2サイクル追加した治療法が、遺伝子変異陰性の進行または再発性の非小細胞肺がんの一次治療薬として、FDAから承認されたことを発表しました。第3相CheckMate-9LA試験の中間解析に基づくものです。

 CheckMate-9LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、進行または再発性の非小細胞肺がん患者さんを対象とした臨床試験です。今回承認された同療法と、プラチナ製剤を含む2剤化学療法後に、適格であればペメトレキセド(製品名:アリムタ)による維持療法を行った治療法を比較し、全生存期間、無増悪生存期間、奏効率、奏効期間で評価されました。

 中間解析では、ニボルマブとイピリムマブ併用療法+化学療法は、最短8.1か月の追跡調査において死亡リスクを31%低減し、全生存期間の延長を示しました。また、12.7か月の追跡調査の解析では、死亡リスクを34%低下と改善しています。

 安全性に関して、ニボルマブとイピリムマブ併用療法+化学療法における重篤な副作用は57%の患者さんで認められ、24%の患者さんで副作用による治療中止、56%で少なくとも1回の治療中断がありました。2%以上の報告があった重篤な副作用は、肺炎、下痢、発熱性好中球減少症、貧血、急性腎障害、筋骨格痛、呼吸困難、肺臓炎、呼吸不全でした。20%以上の患者さんで報告された副作用は、疲労(49%)、筋骨格痛(39%)、悪心(32%)、下痢(31%)、発疹(30%)、食欲減退(28%)、便秘(21%)およびそう痒症(21%)でした。

 CheckMate-9LA試験の治験担当医師であり、オハイオ州立大学ジェームズ胸部腫瘍センター所長のDavid P. Carbone医学博士は、次のように述べています。

 「免疫療法薬による2剤併用療法ががん治療において果たす役割と患者さんの長期生存におよぼし得る影響を理解するにあたり、私たちは大きな進歩を遂げてきました。CheckMate -9LA試験の肯定的な結果は、PD-L1の発現率にかかわらず、化学療法を限定して追加した免疫療法薬の2剤併用療法が、非小細胞肺がん患者さんにベネフィットをもたらすことを示しています。今回の承認により、オプジーボとヤーボイの併用療法を含む治療選択肢をさらに多くの患者さんに提供できるようになり、より長期の生存をもたらす可能性があります」