キイトルーダと化学療法併用、進行または転移性の尿路上皮がんの治験で主要評価項目を未達成

文:がん+編集部

 進行性または転移性の尿路上皮がん(膀胱がん)に対するペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の、単独および化学療法との併用療法を評価した治験の結果、主要評価項目の全生存期間および無増悪生存期間は達成されませんでした。

併用療法は、化学療法単独よりも全生存期間および無増悪生存期間の延長したものの統計学的な有意差は示さず

 米メルク社は6月9日、進行または転移性の尿路上皮がん(膀胱がん)に対する一次治療として、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法を、標準治療の化学療法と比較して検討した第3相KEYNOTE-361試験において、事前に規定した全生存期間および無増悪生存期間の主要評価項目を達成しなかったことを発表しました。

 KEYNOTE-361試験は、対象患者さん1,010人に対し、ペムブロリズマブ単独、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法、化学療法単独(シスプラチンまたはカルボプラチンとゲムシタビン)と比較した臨床試験です。主要評価項目は全生存期間と無増悪生存期間、副次的評価項目は奏効期間、病勢コントロール率、全奏効率および安全性でした。

 解析の結果、併用療法群は、化学療法群と比較して全生存期間および無増悪生存期間の延長はしましたが、事前に規定した統計学的な有意差は認められませんでした。ペムブロリズマブ単独療法は、統計学的な解析は正式に行われていません。安全性に関しては、これまでに報告された試験で認められたものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、次のように述べています。

 「この試験では、治療歴のない進行性または転移を有する膀胱がんの患者を対象に、キイトルーダと化学療法との併用療法について、実薬対照として現行の標準治療である化学療法併用レジメンとの厳密な比較が行われました。これらの試験結果は残念なものでしたが、キイトルーダは転移を有する膀胱がんの治療において重要な選択肢として確立されています。引き続き、より多くの患者さんを救うため研究に全力を尽くします。この試験にご協力いただいた患者さん、治験担当医師の皆様に感謝いたします」