カルクエンス、慢性リンパ性白血病に対する2つの臨床試験で長期有効性と忍容性を示す

文:がん+編集部

 慢性リンパ性白血病に対し、アカラブルチニブ(製品名:カルクエンス)を評価した2つの臨床試験で、長期有効性と忍容性が確認されました。

ACE-CL-001試験の全奏効率97%、ASCEND試験では病勢進行のない生存率が82%

 英アストラゼネカは6月12日、慢性リンパ性白血病に対し、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害アカラブルチニブを評価した第2相「ACE-CL-001試験」および第3相「ASCEND試験」の結果、長期にわたる有効性および忍容性が示されたことを発表しました。

 ACE-CL-001試験は、慢性リンパ性白血病の一次治療としてアカラブルチニブ単剤療法を評価した臨床試験です。治療を受けた86%の患者さんが、4年(中央値)以上の追跡期間で治療を継続しており、全奏効率が97%(完全奏効7%、部分奏効90%)という結果でした。また、遺伝子変異(染色体17p欠失およびTP53遺伝子変異)、免疫グロブリンH鎖遺伝子変異陰性、複雑核型を含む高リスクのあるサブグループの全奏効率は、100%でした。

 安全性に関しては、新たな長期的問題は認められませんでしたが、6例の患者さんが有害事象により治療を中止し、3例の患者さんが病勢進行のために治療を中止しました。40%以上で認められた有害事象は、下痢(52%)、頭痛(45%)、上気道感染症(44%)、関節痛(42%)、挫傷(42%)でした。重篤な有害事象は患者さんの38%で報告され、2人以上の患者さんに発現した重篤な有害事象は、肺炎(4人)および敗血症(3人)でした。

 ASCEND試験は、再発性または難治性の慢性リンパ性白血病患者さんを対象に、アカラブルチニブ単剤、リツキシマブ+イデラリシブ(IdR療法)、またはリツキシマブ+ベンダムスチン(BR療法)を比較した臨床試験です。18か月時点で生存し病勢進行が認められなかった患者さんの割合は、アカラブルチニブ82%に対し、IdR療法またはBR療法を行った対照群は48%でした。

 安全性に関しては、アカラブルチニブ16%、IdR療法56%、BR療法17%の患者さんが有害事象により治療を中止しました。アカラブルチニブ群で、グレードにかかわらず15%以上で発現した有害事象は、頭痛(22%)、リンパ球減少(21%)、下痢(20%)、上気道感染症(20%)、咳嗽(16%)、貧血(16%)でした。重篤な有害事象は、アカラブルチニブ33%、IdR療法56%、BR療法26%で認められました。

 Weill Cornell Medicine CLL Research Centerの所長であるRichard R. Furman氏は、次のように述べています。

 「2つの試験データによって、アカラブルチニブにおいて新たな安全上の問題がないことが示され、未治療および再発または難治性の患者さんに対して意味のある長期的な臨床的ベネフィットを提供できることが確認されました。このアカラブルチニブの安全性プロファイルにより、病勢進行まで治療継続することが患者さんにとって重要かつ妥当なものになったと言えます」