高感度デジタルPCR法による大腸がんRAS遺伝子変異検査が保険適用

2020/08/28

文:がん+編集部

 高感度デジタルPCR法による、血液を用いた、大腸がんのRAS遺伝子変異を調べる検査が保険適用されました。

生検採取が困難でも血液で検査可能に、患者さんの身体的・精神的負担を軽減

 シスメックスは8月3日、血液を用いて大腸がんRAS遺伝子変異を調べることができる、RAS遺伝子変異検出キット「OncoBEAMTM RAS CRC キット」が保険適用されたことを発表しました。

 大腸がんの薬物療法の対象となる患者さんに対して、生検によるRAS遺伝子変異検査が行われています。RAS遺伝子変異が陰性の患者さんでは、セツキシマブ(製品名:アービタックス)やパニツムマブ(製品名:ベクティビックス)などの抗EGFR抗体薬による治療が行われますが、RAS遺伝子変異陽性の患者さんでは、抗EGFR抗体薬が使用されません。そのため、大腸がんの薬物治療ではRAS遺伝子変異検査は重要です。

 がん細胞を採取して行う生検が難しい場合でも、血液を検体とするため患者さんの身体的・精神的負担が少なく、かつ抗EGFR抗体薬投与の最適化が期待されます。

 また、抗EGFR抗体薬の治療後に再発した患者さんに対して、抗EGFR抗体薬の再投与が有効であること、再投与時点でRAS遺伝子変異の状態が変化している可能性があることから、経時的に複数回の遺伝子変異の状態を調べることが推奨されています。

 同社は、今回の保険適用に際し次のように述べています。

 「今後も、患者さんの検査機会の拡大および診断価値の高い検査・診断技術の提供に向けて取り組むことで、個別化医療の発展と進化に貢献していきます」