オプジーボとヤーボイ併用療法、悪性胸膜中皮腫の治験で持続的な生存ベネフィット示す
2020/09/04
文:がん+編集部
ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法が、未治療の悪性胸膜中皮腫に対する治験で、化学療法よりも全生存期間を延長しました。
オプジーボ+ヤーボイ併用療法、化学療法に対し死亡リスクを26%低減
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は8月8日、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫に対する第3相CheckMate-743試験の解析結果を発表。全生存期間を有意に改善しました。
CheckMate-743試験は、未治療の悪性胸膜中皮腫患者さん605人を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法を、化学療法(ペメトレキセド+シスプラチンまたはカルボプラチン併用)と比較評価した臨床試験です。主要評価項目は全生存期間、主な副次的評価項目は奏効率、病勢コントロール率、無増悪生存期間でした。
最短22か月の追跡調査の結果、全生存期間の中央値はニボルマブ+イピリムマブ併用療法18.1か月、化学療法14.1か月で、死亡リスクが26%低減しました。2年生存率は、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法41%、化学療法27%でした。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一致していました。
オランダがん研究所およびライデン大学、胸部腫瘍科のPaul Baas医学博士は、次のように述べています。
「悪性胸膜中皮腫は、5 年生存率が10%未満で悪性度の高いがんであり、多くの臨床治療に耐性を示しています。今回、私たちは初めて、全ての組織型の悪性胸膜中皮腫のファーストライン治療において、免疫療法薬による2剤併用療法が、化学療法と比較して良好で持続的な生存ベネフィットを示すエビデンスを得ることができました。CheckMate-743試験のデータは、ニボルマブとイピリムマブの併用療法が新たな標準治療となる可能性を裏付けるものです」