高リスク骨髄異形症候群に対し「リゴセルチブ」を評価した臨床試験、全生存期間は未達

文:がん+編集部

 高リスクの骨髄異形症候群を対象に、リゴセルチブの有効性と安全性を評価した第3相INSPIRE試験の最新結果が発表されました。主要評価項目の全生存期間は達成されませんでした。

リゴセルチブ、RAS阻害薬として肺腺がんに対する臨床試験は継続中

 シンバイオは8月25日、高リスクの骨髄異形症候群患者さんを対象とした第3相INSPIRE試験の最新解析結果で、現在開発中のリゴセルチブは、医師が選択した治療法と比較して、主要評価項目である全生存期間が達成されなかったことを発表しました。

 INSPIRE試験は、リゴセルチブ+最善の支持療法と、医師選択療法+最善の支持療法を比較した臨床試験です。全患者さんを解析した全生存期間の最新結果は、リゴセルチブ群6.4か月、医師選択療法群6.3か月で、有意差がなく、超高リスクの患者さんの解析でも、全生存期間の有意差は認められませんでした。

 安全性に関しては、おおむね良好な忍容性を示し、これまで報告された安全性プロファイルと一致していました。

 リゴセルチブは、がん関連遺伝子産物のRASの作用を阻害する分子標的薬です。RASを阻害することで、がんの生存や増殖にかかわるPI3Kなど複数の酵素を妨げ、がん細胞を死滅させます。

 同社の吉田文紀社長兼CEOは、次のように述べています。

 「今回のINSPIRE試験結果は大変残念ですが、RAS 経路阻害剤としてのリゴセルチブは、血液疾患以外の多くのがん領域にも適用できる可能性があります。INSPIRE 試験のゲノム解析から得られた知見を、今後のリゴセルチブの開発に活かしていきたいと考えています。現在進行中の KRAS+肺腺がんを対象としたフェーズ 1/2a試験に加え、他の固形がんへと継続的に拡大していくことを期待しています」