抗体薬物複合体「U3-1402」、HER3を発現する大腸がんに対する第2相試験で投与開始

文:がん+編集部

 切除不能な大腸がん患者さんを対象とした第2相臨床試験で、HER3を標的とする抗体薬物複合体「U3-1402」の投与が開始されました。

U3-1402、HER3と結合する抗体とがんを攻撃する薬剤を結合させた抗体薬物複合体

 第一三共は9月15日、切除不能な大腸がん患者さんに対する第2相臨床試験で、HER3に対する抗体薬物複合体「U3-1402」を、最初の患者さんに投与開始したことを発表しました。

 本試験は、前治療歴のある切除不能な大腸がんを対象とし、HER3高発現と低発現の患者さんを2つのグループそれぞれで、U3-1402の安全性と有効性を評価します。主要評価項目は客観的奏効率、副次的評価項目は病勢コントロール率、奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間などです。

 HER3は、細胞の増殖にかかわる受容体であるHERファミリーのひとつです。大腸がん患者さんの最大83%でHER3が過剰発現していると推定されており、標準治療に対する抵抗性、転移や増殖、生存率の低下に関連しているといわれていますが、HER3を標的としたがん治療薬はありません。

 U3-1402は、HER3と選択的に結合する抗体パトリツマブと、がんを攻撃するトポイソメラーゼI阻害薬を結合させた抗体薬物複合体です。

 同社は、今回の臨床試験の開始にあたり次のように述べています。

 「複数の固形がん(非小細胞肺がん、乳がん、大腸がんなど)での試験を積極的に進めていくことで製品価値を最大化し、がん患者さんのアンメット・メディカル・ニーズの充足に取り組んでまいります」