レンビマ+キイトルーダ併用療法、7種のがんに対する臨床データをESMOで発表

文:がん+編集部

 レンバチニブ(製品名:レンビマ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)併用療法の2つの臨床試験から、7種のがんに対する臨床データが欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表されました。

免疫チェックポイント阻害薬治療後に増悪した患者さんに対する新たな治療選択となる可能性も

 エーザイは9月23日、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法を評価するLEAP臨床プログラムのうち、LEAP-004試験およびLEAP-005試験の初めての中間解析結果を、ESMOで報告したことを発表しました。

 LEAP-004試験は、免疫チェックポイント阻害薬による治療後12週以内に増悪した切除不能または進行性メラノーマ患者さん103人を対象とした臨床第2相試験です。レンバチニブ20mgを1日1回経口投与、ペムブロリズマブ200mgを3週間ごとに静脈投与し、35サイクルを上限として許容できない毒性が認められるか病勢進行するまで継続されました。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は無増悪生存期間、奏効期間、全生存期間、安全性などでした。

中間解析の結果は以下の通りです。

奏効率:21.4%(完全奏効1.9%、部分奏効19.4%)
抗PD-1/PD-L1抗体と抗CTLA-4抗体の併用療法後に増悪した29人の奏効率:31% (完全奏効3.4%、部分奏効28%)
奏効期間(中央値):6.3か月
無増悪生存期間(中央値):4.2か月
全生存期間(中央値):13.9か月

 治療関連の有害事象に関して、患者さんのうち7.8%でレンバチニブまたはペムブロリズマブ、もしくはその両方の投与を中止されました。グレード3~5の有害事象が44.7%で認められ、グレード3が39.8%、グレード4が3.9%, グレード5が1.0%でした。また、重篤な有害事象が18.4%で認められ、全グレードにおける30%以上の有害事象は、高血圧 (56.3%)、下痢 (35.9%)、吐き気 (34.0%)、甲状腺機能低下症 (33%)、食欲低下 (31.1%)でした。

 LEAP-005試験は、治療歴のあるトリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、胃がん、マイクロサテライト不安定性(MSI-H)陰性、またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)陰性の大腸がん、膠芽腫、胆道がんなど進行固形がん患者さん187人を対象とした臨床第2相試験です。レンバチニブ20mgを1日1回経口投与、ペムブロリズマブ200mgを3週間ごとに静脈投与し、35サイクルと上限として許容できない毒性が認められるか病勢進行するまで継続されました。主要評価項目は奏効率および安全性、副次的評価項目は病勢コントロール率、奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間などでした。

 LEAP-005試験では、標準治療が効果を示さなかった、または治療後に増悪した患者さんの奏効率が9.7%~32.3%でした。

中間解析の結果は以下の通りです。

トリプルネガティブ乳がん
奏効率:29.0%
病勢コントロール率:58.1%
奏効期間(中央値):未達
グレード3以上の有害事象割合:55%
治療関連死亡率:3%
有害事象による投与中止割合:10%

卵巣がん
奏効率:32.3%
病勢コントロール率:74.2%
奏効期間(中央値):未達
グレード3以上の有害事象割合:68%
治療関連死亡率:3%
有害事象による投与中止割合:13%

胃がん
奏効率:9.7%
病勢コントロール率:48.4%
奏効期間(中央値):未達
グレード3以上の有害事象割合:42%
治療関連死亡率:3%
有害事象による投与中止割合:6%

大腸がん
奏効率:21.9%
病勢コントロール率:46.9%
奏効期間(中央値):未達
グレード3以上の有害事象割合:50%
治療関連死亡率:3%
有害事象による投与中止割合:9%

胆道がん
奏効率:9.7%
病勢コントロール率:67.7%
奏効期間(中央値):5.3か月
グレード3以上の有害事象割合:48%
治療関連死亡率:0%
有害事象による投与中止割合:6%

膠芽腫
奏効率:16.1%
病勢コントロール率:58.1%
奏効期間(中央値):3.2か月
グレード3以上の有害事象割合:35%
治療関連死亡率:3%
有害事象による投与中止割合:6%

 全がん種の20%以上で認められた有害事象は高血圧 (39.0%)、疲労 (29.4%)、下痢 (26.7%)、食欲減退 (25.1%)、甲状腺機能低下症(27.8%)、吐き気 (21.9%)でした。

 米メルクのResearch Laboratories, Clinical ResearchのVice PresidentであるScot Ebbinghaus博士は、次のように述べています。

 「キイトルーダとレンビマ併用療法を評価するLEAP臨床プログラムから得られた今回の新しいデータは、進行の早い複数のがんに対し有望な活性を示すとともに、それらのがんに対する本併用療法の知見を広げてくれました。LEAPの臨床データを2つ同時に発表したのは今回が初めてです。このことは、免疫チェックポイント阻害剤治療後に増悪した進行性メラノーマ患者さまを含む多くのがん患者さまに対して、新しい治療オプションをお届けするための着実な進展が図られていることを示しています」

 また、エーザイの執行役で、オンコロジービジネスグループ チーフメディスンクリエーションオフィサー兼チーフディスカバリーオフィサーである大和隆志博士は、次のように述べています。

 「今回の2本の臨床試験の中間解析結果によって、現在実施している19本の臨床試験における13種のがんすべてに対し、レンビマとキイトルーダの併用療法のポテンシャルを裏付ける一貫したヒューマンエビデンスが蓄積したことになり、我々は自信を深めています。得られたエビデンスは、本併用療法に関する我々の理解を進展させるだけでなく、深い洞察に基づく決断を可能とし、アンメットニーズの充足を加速するものです」