CHMPが肯定的見解、オプジーボ+ヤーボイ併用療法に化学療法2サイクルを追加した治療法

2020/10/19

文:がん+編集部

 進行非小細胞肺がんに対する一次治療として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法に化学療法2サイクルを追加した治療法について、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)が肯定的見解を示しました。

CheckMate-9LA試験、化学療法に対し併用療法は死亡リスクを31%低減

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は9月18日、EGFR活性型遺伝子変異とALK転座陰性の進行非小細胞肺がん患者さんに対する一次治療として、プラチナ製剤を含む化学療法2サイクルを追加したニボルマブ+イピリムマブ併用療法の承認をCAMPが推奨したことを発表しました。今後、欧州の医薬品承認権限をもつ欧州委員会で審査されます。

 今回の承認申請の基となったCheckMate-9LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、進行非小細胞肺がん患者さんの一次治療として、ニボルマブ360mgを3週間間隔とイピリムマブ1mg/kgを6週間間隔で投与する併用療法に2サイクルの化学療法を追加した治療法と、化学療法を比較した第3相臨床試験です。主要評価項目は全患者さんの全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間と奏効率でした。

 試験の結果、化学療法と比較して、2サイクルの化学療法を追加したニボルマブ+イピリムマブ併用療法の全生存期間の改善が認められ、死亡リスクを31%低下させました。安全性に関しても、これまで認められていた安全性プロファイルと一致していました。

 同社の胸部がん領域開発担当バイスプレジデントであるAbderrahim Oukessou医師は、次のように述べています。

 「CHMPの肯定的見解は、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法が、依然としてアンメットニーズが残されている深刻ながん腫である進行非小細胞肺がんのサブグループにかかわらず、患者さんの生存期間をより延長する機会を提供できる可能性があることを示しています。ECの決定を待ち望むと共に、この革新的な免疫療法薬による併用療法をEC諸国の患者さんに早急にお届けできるようになることを期待しています」